14:30到着。
先着一組。
穴場とは言え、さすがシーズン中というところか。
もう寒くなり始めと思ったけど昼はまだ暑さを感じる。
タープとテントの設営が終わった頃には汗ばんでいた。
この前買ったバタフライランタンと格闘する。
いまだに点灯に成功していない。
販売元のLED HOUSEに問い合わせると、かなり丁寧に教えてくれた。
その方法はニップル、ニードルを取って点火させるという驚きの方法だった。
そんなの、灯油ふきだして終了なんじゃないかと思ってしまうが、それは素人考えというものなんだろう。
偏見を捨てて、やってみる。
!?
つ、ついた!
え、なにそれ?
これでついてしまったら、ニードルとニップルの役目って何なの???
ともかく、もう永遠につかないと諦めてしまってたところにこの体験はあまりに大きかった。
正しい方法かどうかなんて関係なくて、ついたという事実にすごく勇気付けられた。
そのあとの正しい方法での手順も説明してくれてる。
でも、最初からこの手順を説明されてても、やる気起きなかった気がする。
一度成功体験をさせてやる気を起こしてからの次のステップ…やるなぁ。
コーチング的なアレに通じるんじゃないのかこれ。
で、
そのあとの正しい手順というのが、ジェネレーターを外してニードルの根本のロッドを調整する、というものだったんだけど、このナットがめちゃくちゃ硬くて、ランタンごと壊れそうな感じになったので、ここでまた止まってしまった。
…まぁだいぶ前進できた気がする。
またそのうち挑戦しよう。
夜。
一人なので、ひたすら虫の声を聞いて過ごす。
この感じ懐かしい。
夕食はクリームシチュー。
ただのシチューなのにめちゃくちゃうまい。
日が沈むと一気に寒くなった。
寒さだけでここまでおいしくなるのかと。
今まで寒くなったらキャンプやめてたから気付かなかった。
食べたらこわばってた体がゆるんで眠くなってきた。
ソロキャンプなので、5時間ぐらい焚き火するつもりで来てたけどそのまま寝る。
午前1時。
寒さで目が覚めた。
が、そのままいつの間にか寝てた。
午前3時にまた寒さで目覚める。
寝ないと昼夜逆転して面倒なことになる。
でも、このままずっと寒さに耐え続けながら無理に寝ようとするくらいなら、起きて焚き火をしたほうがいい気がした。
外に出ると星がきれい。
このへん周りに灯りが全くないからな。
起きてると意外と寒さはそうでもない。
寝てるときのほうが体温が下がるからなのか、起きてスイッチが入ったからなのか。
キャンプは冬が至高っていう意味が分かってきた。
あったかい料理が美味しい。
焚き火の温もりがうれしい。
夏の暑い時の料理はそもそも食欲がなかったりして、あまり食べたいと思わない。
食べないと夏バテするから、みたいな感じで、どっちかというと無理やり食べてる感さえある。
夏は冷たいものとかさっぱりしたものが食べたいけど、キャンプで冷たいものの料理というのは意外と難しい。
贅沢に氷を使わないといけなかったりする。
寒い時に暖かいというだけでこんなに料理が美味しく感じるものか。
ありがたみさえ感じる。
作る楽しみとありがたみとおいしさ。
焚き火も同じ。
寒さに負けそうになったときの焚き火のぬくもりのありがたさと心地よさ。そして炎としての美しさ。
五感で楽しめる。
昔の人は火を神様として敬ったというけど、その気持がわかってきたような。
ありがたさ=意識とすれば、六感まで含むか。
焚き火の赤色が周りの木に映ってなんか異世界感。
風向きが変わって炎がこっちに来ると煙が目にしみるけど温かさが気持ちいいから、来てほしいような来てほしくないようなジレンマが。
それもなんか駆け引きみたいで楽しい。
高い声で時々鳴くのはシカか。
昼間は全然聞こえないけど夜になると動物の存在を感じる虫の声もいろんな鳴き声のむしがいることに気づく。
午前4時。
にわとりがだいぶ鳴きだしてきた。
川の向こうにある線路も電車が走り出してガタンゴトン言い出した。
最近、小さな焚き火にはまっている。
これまで、とにかく大きな炎を燃え上げることに喜びを感じていたけど、最近は綺麗に焼き尽くすことに喜びを感じるようになってきた。
細かくなったやつは 空気の入る隙間がないからいつまでもくすぶっている。
かきまぜて空気を入れてやればまだ燃え上がる。
下にたまったオキを新しく追加した薪の上に置いて燃焼を促す。
焚き火台の底が見えると達成感。
とは言ってもやっぱり寒いので熱量優先でときどき豪快に燃やしたくなる。
5時40分。
だいぶ空が明るくなってきた。電車の本数も多くなってきた。
オモテの道路を走る車の数も増えてきた。
新しく追加した薪の上にクズになったオキをおいて再燃焼させる。
どれだけ積み上げられるかジェンガみたいな気分。
矢井田瞳の一人ジェンガが脳内ループ。
しばらくしてそれは一人ジェンガじゃなくて、BUZZ SONGS だったことに気づいた。
そういえば一人ジェンガ聞いたことなかった。
そして脳内ループが、いつのまにかミスチルの「光の指す方へ」に変わってた。
そういえばイントロ似てるなと。
炎を大きくしたいときは巻を短くして積み上げていたけどきれいに燃やし尽くすときは長めにして下に空気のスペースを大きくとってやったほうが良さそう。
おきはいわばいつでも燃えれるのに酸欠で燃えれない状態。
まきの上に置いてやればまた燃えだすのか
まきの土台で下にスペースを作りながら上に置きを置いた状態がベスト燃焼効率
これだけ燃やして底が見えているのは素晴らしい
6時03分
カラスが泣き始めてきた
一つずつ一日が始まる
そう考えると虫って一日中起きてるのかな。
(写真)
見た目の美しさはともかくこれが一番燃焼効率がいいというかオキも薪も無理のない自然な状態で見ていて気持ちいい
今日は風がちょうどいい感じに吹くな。
寒いけど。
(写真)
もう何回意味わからなくなってきたけど少ない薪で効率よく燃やそうと上昇気流とかも味方につけようと考えたらこうなった
6時18分
朝焼けが始まった。
一日が始まるのは動物だけじゃない。
なんか急に冷え込んできた。 思わず立ち上がって上昇気流の熱を全部もらおうとする。
そういえば長距離運転していて七時頃が一番寒いとか言っていたけど本当にそうなのか。そのときはんなアホなと思ってたけど。
小鳥も泣き始めた。
オキに火吹き棒。
炎は上がらなくなっても熱はけっこう出てくる。暖を取る目的ならむしろこちらのほうが芯まであたたまる。
ひふき棒は火を起こすのにも使えるけどハイを飛ばすのにもいいみたい。
炭はだめだけど灰は肥料になるから飛ばして問題ないだろ。
眠くなってきた。暖炉の前でロッキングチェアで膝にペルシャねこ抱いてうとうとしてる金持ちの気分。ワイシャツにセーターベスト合わせな。
あとメガネと七三分けのシルバーグレー。黒縁メガネ。
7時30分
日が出てきた。 日の出はだいぶ前から始まってたけど雲に隠れて見えてなかった日の温もりありがたみ
12時51分
昨日からと入れ替えに新たなお客さん。
どちらもナチュラル系で共通のセンスを感じる
手前はテンマク。安定のシャープなかっこよさ。
薪ストーブも似合う。
薪は夫婦二人で現地調達してた。たぶんあえてのこだわり。
奥は最近よくみるサバティカル。
どちらも見るたびにいいなと思う。
めちゃくちゃ天気いい。
晴れの気持ちよさと温かさを満喫できながらも風は秋の涼しさでちょうどよく熱を冷ます。
日に照らされて風に揺らぐ緑、青空と緑のコントラスト、鳥のさえずり、遠くを走っていくローカル線、薪ストーブの煙突から登る煙、すべてがいい。何もしなくていい、この空気を五感で味わうのが最高の贅沢。
夏を過ぎたキャンプがこんなに気持ちいいとは。
冬キャンプが好きなのはとにかくストイックな性格だと思っていたけど違う。自分のようにゆるく楽しみたい人間でも気持ちいい。