砥上岳。
最近休日にいつも車で通ってる道沿いに登山口があり、ずっと気になってた山です。
福岡ではマイナーな山とは言っても、YAMAPでそれなりに登山日記が上がってることから、きちんと登山を楽しめる山だと推測できます。
この近くに「砥上」という交差点があるんですが、車で走ってるとここの信号にかなりの確率でひっかかるんですよ。
その前後が信号のほとんどない一直線の道路ということもあって、「砥上」の名前がやけに印象に残って、そこから砥上岳のことも気になってて。
そんなに気になってて、逆になぜ今まで登らなかったのかというと、この山についてあまりパッとした情報がなかったからです。
ネット検索では個人サイトの淡々とした登山記録で添えられた写真は、まぁ普通というか福岡の山の平均的風景な感じなわけで。
それに加えて夏のキャンプが加速し、山自体ほとんど行かなくなってしまってたというのもあります。
冬はもともと引きこもりになるしで、もはや一年中行くタイミングが失われつつあったわけですが、2月なのに15度まで気温が上がる陽気が続いたことで、唐突に山に行きたくなったのです。
そうだ、いつも横目に通り過ぎていた砥上岳に行ってみよう、と。
ちょうどその日もそこを通る予定があったので、全く無駄のないカンペキな作戦です。
というわけで砥上交差点までやってきたわけですが、そこからどう行けばいいのか知らないことに今さら気付きました。
とりあえず山がある方向に向かえば道は開けるのではないだろうか。
が、行ってみるとその先は住宅地で、行き止まりでした。
ここに来てようやくネットで「砥上岳 登山口」などと調べることに。
全く情報が出てこないなと思ったら「砥上岳」じゃなくて「研上岳」と検索してました。
「とがみだけ」で変換しても出てこないので「砥ぐ 上 岳」みたいに変換したんですが、「とぐ」っていう字、「砥ぐ」と「研ぐ」と2つあるんですね。
そうか「研究」って調べていることをさらに研ぎすますことなのか、とかよくわからない納得をしつつ。
調べると砥上交差点の近くに砥上神社というものがあるようです。
名前が同じなので信頼性があります。
近くにあるというわりには見渡してもそれらしきものが見当たらず、Googleナビで検索したらヒットしたのでナビ頼りに進んでみます。
一瞬でつきました。
なるほどこんなところにあったのか。
交差点から少し離れたところに脇道があり、そこを100mぐらい進むと神社の駐車場にたどりつきます。
近いけど、入り口に神社感がないので、スルーしていました。
駐車場は8台~10台ぐらい停めれる広い駐車場です。
でもここ登山用に停めていいのかな…と思っていたら看板が。
こんな案内があるということは登山用に使うことを許可してもらってるという理解でいいんでしょうか。
だいぶ自己都合感がありますが、神社に行っても誰もいなかったので、そういうものとしてありがたく利用させてもらいます。
宝満山みたいに料金箱みたいなのがあったら逆にスッキリ使えるんですが、まあそれはそれで神社側としては面倒なこともあるでしょうね。
さて、登山口はさっき車で入ってきた脇道の向かい側にあります。
こんな立派なのに今まで全然気付かなかった…。
で、この登山口、砥上神社駐車場から何も考えずに行こうとするとその脇道を戻ってそのまま道路を横断したくなるんですが、この道路、冒頭にも言ったとおり、前後に信号がない一直線の道路なので、車がかなりのスピードで行き交います。
駐車場の案内にもあったとおり、神社からまわって砥上交差点の横断歩道を渡るのが確実です。
距離にして100m、時間にして1分ぐらいしか変わりません。
こういう作業小屋好きなんですよね。
なんか飾り気なくて雑な感じなんだけど、最適化されてて無駄がないじゃないですか。
その感じが気持ちいいというか。
微妙に気になったのが鉄塔をミニチュアにしたようなこれ。
一瞬、脚立かなと思ったんですが、そうでもなさそうです。
骨組みの造形といい、紅白に塗り分けられてる感じといい、明らかに鉄塔を意識してますよね。
何かに使う道具だとは思うんですが、こういう小屋にこんな遊び心的な道具があったことに驚きました。
ていうかかわいい。
人が頻繁に出入りしそうな場所でもないんですが、かなりきちんと管理されてる感じです。
へたな住宅の庭よりこまめに手入れされてるんじゃないですかね。
趣味でやってるにしては大規模だし、商売でやってるにしては小規模すぎるような…なんか不思議な魅力があります。
そんなのを横目に歩いていたら左右の分かれ道が。
登山道は右に行けばいいようですが、左の「しをいば道」ってなんなんだ…
めちゃくちゃ気になる…
帰って調べてみたら、これも山頂へつながる登山道らしいです。右の登山道と周回ルートになりますね。
これはいい。
YAMAPのダウンロード地図も周回ルートになってますが、こっちは山頂から先に進んで降りるルートで、後半ほとんど普通の道ですからね。
今度はこのしをいば道から登ってみようと思います。
(↓後日追記)
しをいば道行ってきました。
先に結論を言うと、先に進めず、すぐに戻ってくることになってしまいました…。
今度は右へ案内されているので右へ進みます。
よじのぼったあとその林道の先が本当に山頂に続いているのかもはっきりわからないし…。
このときは登れないというより、その先が不安になり、もういいやって感じになって断念したのが大きいです。
一応しをいば道を進んだ人の記録をネットで検索してみたんですが、どうもこんなところは通ってないような感じだったので。
最近まで普通に通れたけど工事したことで通路が変わってしまったとかそういうのがあるのかも?
ということで、しをいば道は早々と断念することになりました。
右の登山道を進みます。
登山道はいかにも福岡の低山という感じでとてもベーシックです。
ただ、低山で谷筋ルートの割にはだいぶ明るい。
木が低いのか密度が少ないのか、なんとなくそんな感じで、光がけっこう入ってきます。
鬱蒼とした圧迫感がなくて気持ちいいです。
右に脇道が出現。
500mほど行ったところに観音塚というものがあるらしいです。
あまり興味がなかったので行きませんでしたが、どうやら横穴式の古墳があるらしいですね。
500mっていうのがまぁまぁ距離があるんですよね…そこを経由して山頂に行けるならまだいいんですが、この分岐までそのまま戻ってこないといけないので…。
今までずっと道なりでしたが、ここで初めて方向転換です。
まっすぐと右への分岐ですが、道なりに真っ直ぐ行くと登山道から外れてしまいます。
もしかして、しをいば道が進めなかったのはこのせい?
下を向いて登ってると通り過ぎてしまいそうなので注意。
ここまで両側緩い斜面で滑落の危険などゼロだったんですが、ここらへんから片側急斜面になります。
といっても、普通の山レベルの話です。
むしろ今までが安全すぎるレベル。
登山道も普通にすれ違えるくらい幅広いので、特別注意しなくても滑落する心配などはまずありません。
かたや山頂まで1.4km、かたや「急な坂」。
単純に両方距離を書かないところがいいですね。
両方距離が書かれてると、当然、短いほうを行きたくなります。
短いということは急だというのは当たり前なんですが、登ってるとそこまで頭側回らないこともあるので。
特に急いでるわけでもないので、1.4kmのほうを進みます、
ずっとこの調子。
谷筋でこの明るさはなかなか珍しい気がします。
方角的に日が当たるというのもあるんでしょうけど。
「みそぎの春」…!
この日、冬の中、春を感じる穏やかな気候だったこともあって、タイムリーな癒やし感だなーと思ったんですが、看板の説明を読んでみると「禊の原」。
「原」を「はる」と読んでるんですね。
春日原(かすがばる)、前原(まえばる)など福岡ではおなじみの読み方です。
左に行くと「山家」と書いてあります。隣町の地名なんですが、最初見たとき、山の中に民家があるのかと思って一人でビビってました。
残り150mか180mかって案内が必要な距離でもない気がしますが、とりあえずここでゴールを確信できます。
このとき時間13時ごろでしたが、斜面がちょうど太陽に向かって真正面なので、日当たりが最高に良いです。
山頂ならともかくこんな斜面を切り開くってあまり見ませんが、これはこの日当たりの良さを活かすためのものだな、うん。
かたや昼寝スポット、かたや絶景。
同じ場所で、それぞれ違った魅力を楽しめる…これは想像以上に山頂クオリティが高いです。
1時間ほど昼寝。
2月に昼寝をここまで満喫できるとは思いませんでした。
この山、マイナーですが、登りの安定感、所要時間1.5時間というちょうどいい感じ、山頂クオリティとかなりバランスがいいです。
なんとなく山行きたいなーぐらいの軽いノリのときにピッタリですね。