登山の服装はアウター、ミッドレイヤー、インナーの3層重ね着が基本らしいです。
登山靴とレインウェアとザック以外は全てAmazonのうさんくさい中華製品で安く済ませてきた僕ですが、ちゃんとしたものを買うと決めていたものがあと1つあります。
それがアウターです。
登山は寒さが命の危険に直結します。
夏でも山によっては夜や雨のとき、寒さで体力を奪われる危険はあるわけです。
アウターと言ってもいろんなタイプがありますが、個人的にアウター最強はダウンジャケットだというよくわからない思い込みがあるので、タイプについては初めからダウン1択で迷いはなかったです。
で、すでに普段着用にノースフェイスのダウンを持ってるんですが、これは山では使えないなと思ってました。
ご存知の方も多いと思いますが、ノースフェイスのダウンってとにかく分厚いんですよね。
実際僕もその圧倒的な分厚さがカッコイイって思って買ったクチなんですがね。
防寒性とか何も考えてなかったです。とにかく見た目のゴツさがカッコイイみたいなノリで。
当時ヒップホップが好きでしたからね…若干趣向がDQN寄りなところありましたよね。
車の内装とか外装とかこだわってオートバックスに足しげく通ったり。
で、ノースフェイスはちゃんとしたアウトドアブランドでダウンも決してただのファッションじゃないはずですが、これを山で使うというのはどうしてもしっくり来ません。
いかに軽く、いかにコンパクトにできるかが勝負の登山においてこのボリュームはダメでしょ。
ヘタしたらシュラフより大きいですよ?
まぁ布団圧縮袋みたいなので圧縮すればかなり抑えられると思いますが、現実的じゃないですよね。
ということで、ちゃんと山用のダウンを買おうと。
まぁ、そうは言ってもそんな高いもの買えないし、そんなアルプスみたいな高い山行くわけじゃないし、ということでモンベルに行ってみました。
いや、モンベルって言ってもかなりのポテンシャル持ってますからね。安さだけで見下されそうな気配ありますけど、クオリティは必要十分ですよ。
で、モンベルのダウンですが、いくつかタイプが分かれているみたいですね。
ランク順といったほうがいいかな?
まずフラッグシップの「プラズマ1000」。
その名の通り、1000フィルパワーのダウンを使い、保温性は最高です。
保温性を高めると重さが犠牲になるのが普通なんですが、このプラズマ1000は130グラムという軽さも実現しているあたりがフラッグシップたるゆえんです。
その下に位置するのが「スペリオダウン」。
900フィルパワーと上位クラスより1つ落ちます。重さも188グラムと重いです。
しかし、あくまで比較すると劣るだけであって、単品で見れば決して低いスペックではありません。
見た目ではモンベルの3倍ぐらいあたたかそうなノースフェイスダウンですが、性能は700フィルパワーですからね。
このスペリオダウンのどれだけ優秀かわかります。
ということで僕はこちらのスペリオダウンを選びました。
見た目はかなりペラペラです。部分によっては「これダウン入ってなくね?」みたいなところもあります。
ぶっちゃけ「1グラムでも入ってればダウンジャケット」なユニ○ロのプレミアム()ウルトラライトダウンと見た目は変わりません。
が、実際に使ってみてわりと本気で驚きました。
確かにノースフェイルより暖かいんです。
福岡なので、もともと南の方ではありますが、それでも去年の1月は数10年に一度と言われる大寒波に見舞われました。
道路が全部雪で覆われたのなんて20年ぶりぐらいじゃないでしょうか。
街を走っている車も普段こんな雪の中を走ることなんてないからチェーンで応急処置して走っていました。
なんか昭和の時代に戻ったような懐かしい感覚でした。
で、そんな中、1時間ほど外を歩くハメになったんですが、そのときたまたま来ていたのがこのスペリオダウンだったんです。
最初から最後まで全く寒さを感じなかったんですよ。
基本的に寒がりでそんな寒波とか来なくても冬はずっと震えているんですが、震えが来なかったですもんね。
そのまま外でずっと立ちっぱなしで待つこともたぶんできたと思います。
「なんだこのダウン??」ってマジメに思いましたよね。
見た目明らかにダウン少ないんですよ?
うすすぎて入ってないところとかあるように見えるんですよ?
少なくともその部分は外の寒気シャットアウトできないだろ、ってなるじゃないですか。
なのに寒さが全く入ってこないんですよ。
これはほんとに驚きました。
そしてそんなに薄いダウンだから付属の袋に入れると500mlペットボトルよりも小さくなるんですよ。
テントとかシュラフとかもそうですけど、こういうコンパクトに収納できるやつってけっこうキッチリたたんでいかないと収まらなかったりするじゃないですか?
でもこのダウンはそんながんばらなくても割りと雑に入れても収まります。
そこがかなりいい。
登山中にそんなキレイにたたむ余裕って意外にないですからね。
あとこれは主観が大きいんですが、厚みは間違いなくユニ○ロレベルで薄っぺらいので正直安っぽく、保温性も大した事なさそうに見えるんですよ。
が、僕が買ったオレンジカラー。
これが不思議と安っぽさを打ち消してくれてるんですよね。
ダウン自体の反発も結構しっかりしてて、収納袋から取り出したときは、もうそれこそシワシワでペラッペラで見るも無残な貧弱さなんですが、数分で本来の厚みを取り戻します。
もともとそこまで張りがある感じじゃないのでノースフェイスみたいな力強い張りがあるわけではありませんが、表面のシワシワもなぜか数分でなくなって、貧弱さがなくなるんですよ。
いつまでたってもずっと貧弱なままのユニ○ロダウンとはずいぶん違いました。
いやー、これは登山用アウターですわ。
保温性と携帯性を見事に両立させたすばらしいアイテムに出会えました。