カリマーの代表モデル「リッジ」が2016年版に進化
カリマーと言えばザックでトップクラスの知名度を誇るブランドです。
もともとイギリスのブランドなので、欧米の人の体型を基準に作られていましたが、今は日本人の体型を考えた設計になっていて、さらに不動の人気をものにしています。
町中で使えるカジュアルなリュックもいろいろあり、ファッション的に使う人も多いため、登山に興味がない人でも名前を知っている人は多いんじゃないでしょうか。
僕が学生の頃は古着ファッションが流行っったんですが、その手のファッションに合わせるバッグがカリマーかアウトドアのリュックとかショルダーとかでしたね。
そんなタウンユースでも人気のカリマーですが、やはり本領発揮は登山用のザック。
ジャガー、クーガー、イントレピッドなど用途に合わせていろいろありますが、中でもずば抜けた人気のモデルが「リッジ」です。
使う人や使用環境を特定してそのターゲットに対して突き詰めていく他のモデルとは対称的に、使う人を選ばず、幅広い環境に対応できるバランスの取れたモデルで「カリマーと言えばこれ!」と言っても過言ではありません。
1999年から20年近く安定した人気を博してきたリッジが2016年にリニューアルしました。
もともと完成度の高いモデルながら、さらに細かく使いやすさを突き詰め、リニューアルの価値が充分に期待できるモデルになっています。
サイズ展開
日帰り登山にちょうどいい30リットルタイプと、テント泊の荷物も運べる40リットルタイプの2サイズ展開ですが、今回のリニューアルの大きなポイントとして、各サイズに3タイプの背面長が用意されたことが挙げられます。
タイプ1は背面長42cmで女性や小柄な男性に適しています。Sサイズですね。
タイプ2は背面長47cm。平均的な男性や背の高い女性に適したサイズです。
タイプ3は背面長50cm。背の高い人に適したサイズです。
背面長は荷物の体感的な重さや疲労に直結するもので個人的にはザックで一番重要なポイントだと思っているので、これだけ細かく用意されていると安心感がありますね。
似たようなモデルではノースフェイスの「テルス33」があり、こちらもノースフェイスならではのスタイリッシュさがうらやましい限りですが、背面長のサイズ展開はカリマーの方に軍配が上がります。
ちなみに選ぶときは必ず試着することをおすすめします。
あとそのまま背負うのではなく、中に実際の荷物に相当する重りをいれて背負うことが大事です。
お店の人に言えば、用意してくれます。
逆に用意してくれなかったり、協力的な態度でなければ、そのお店で買うのはやめたほうがいいです。
感情的な話ではなく、商品に対する思い入れが少ないと思われ、自分に合ったザックを見つけにくい可能性が高いです。
安い買い物ではないので、しっかり選んで長く付き合っていきたいですよね。
少し高めの重心
ちょっと意外だったんですが、重心が少し高めになるような設計になっています。
ザックは腰で背負うもの、というのが定説で、個人的にも腰周りに固めた方が軽く感じる印象があったので、腰まわりに集中させたほうがいいのかな、なんて思っていましたが、そうじゃなかったようです。
重心が下に集まると、荷物が少ないときに荷重が後ろにかかってしまい、重さを感じる原因になったり、単順に歩きにくかったりします。
大きめの雨蓋
厳密には雨蓋が大きいと言うより本体と雨蓋をつなぐ部分に余裕を持たせているということなんですが…これにより、ゆったりしたスペースが確保できるので、雨蓋内にヘルメットを収めることもできちゃいます。
ヘルメットをホールドするループも同部分に備えられていて、持て余しがちなヘルメットを収納することをイメージして作られたことが伺えます。
実際ヘルメットは困るんですよね。
ザック内に入れるにはかなりのスペースが必要ですが、パッキング命の登山ザックにそんな余裕があるわけもないので。
雨蓋内ならザックの中身をひっかきまわす必要もないし、いろいろ面倒なことが丸く収まりそうな気がします(笑)
不動の地位からなお進化し続けるザック
他にもチェストストラップにエマージェンシー用のホイッスルがついていたり、ウエストベルトやショルダーベルトの形状も細かく見直したようです。
(体感はあまり変わりませんでしたが)
幅広い層の人気を得て、時代に左右されない普遍的な地位を確立したのになお、ストイックに改良を続ける「リッジ」。
どれを変えばいいのかわからない人なんかには特におすすめですよ。