「タイガー ステンレスミニボトル」昭和の大発明「魔法瓶」が30年の間にここまで進化してた

登山5年目にもなって、なぜ今まで買わなかったのか、自分を小一時間問い詰めたい。

タイガーのステンレスミニボトルのことです。

1月という絶賛登山冬眠期間中ですが、人と会う約束になり、話が登山になり、山に行こうという話になってしまいました。

相手は初心者。

ならば山頂で温かいものを振る舞うのが先達の勤めというものでしょう。

しかし冬の山での湯沸かしというものはかなり時間がかかります。

既知の仲ならマイペースで淡々と進めればいいことですが、初対面、さらに一対一ともなればその空白時間が命取りになりかねません。

ということでお湯を持っていくしかない状況に追い込まれ、魔法瓶を購入することになりました。

今までもサーモスを山で使う発想がなかったわけじゃありません。

でも、山に文明の利器を持っていく反則感があったのです。

キャンプといいながらほぼ電化製品に囲まれまくってるオートキャンプのような「いや、なら家帰れよ」みたいなことしてるような背徳感があったのです。

バーナーも文明の利器なのに何を言ってるんだと言われると、1ミリも反論の余地がないのですが、とにかくそういうことなのです。

あとまぁ、魔法瓶って単純に重いですよね。

中学生時代ごろに使ってた水筒、500mlのでも500gぐらいあった記憶があります。

500gって数字だと大したことない印象ですが、登山で歩き続けてると結構地味に効いてきますからね。

と、グダグタ言ったところで何か進展するわけでもなく。

あまり乗り気しない感じではあるもののとりあえずAmazonで買うことにしました。

唯一、買う気を後押ししてくれたのは鮮やかな発色とシンプルな造形

昔のように黒いプラスチックパーツが接合部に「どんっ!」と主張したりしません。

そのスタイリッシュさとアクティブ感が購入ボタンを押させました。

注文した商品がコンビニに届いたようなので、受け取りへ。

そして、受け取った瞬間でした。

「!?!?」

軽いのです。圧倒的に。

いや、中身入ってんのこれ?レベルです。

サーモスの重さとは思えなかったので、あれ?サーモス以外何か細かいもの注文してたっけ?ってしばらく考えたほどです。

さて開封してみたら紛れもなくサーモスでした。

「夢重力」と言われる圧倒的な軽さ

中身を持ち上げたときに、またその軽さに驚きました。

最初はまだ外の箱の重さがありましたが、本体のみを持ち上げると、もはやほとんど重さを感じません。

サーモス本体にラベルが付いていて、大きな文字で「軽い」と書かれてましたが、それがそのまま今この瞬間の自分の感想を表現しています。

まさに一字一句違わずにそのまま書かれていて、なんかちょっと笑ってしまいましたw

このサーモスにおいてこれ以上のキャッチコピーはないでしょうね。

さて、本体の作りですがスタイリッシュな見た目は見た目だけじゃありません。

通常、水筒と言えば、口が狭まっている印象がありますが、まっすぐストレートな広口構造は飲みやすく、飲み物を注ぎ入れやすく、そして洗いやすいという三拍子のメリットがあります。

極めてシンプルな作りですが、極限まで機能を求めた結果行き着いた究極のミニマルデザインであり、まさに機能美というものです。

ねじ切りが口に当たらないなめらかな飲み口

ねじ切りが口の内側についているのも細かい配慮。

別にねじ切りが口に当たったところで大きな不満があるわけではないんですが、一度こちらを体験してしまうと、もう戻れなくなります。

飲むときに口をつける面が平らなだけで水筒で飲んでる感がなくなります。

たとえば同じコーヒーでも紙コップで飲むのとお気に入りのマグで飲むのとでは味が違いますよね。

その感覚で、水筒で飲むことがどれだけの体験レベルに位置するのか考えたこともありませんでしたが、マグカップに比べると結構なレベルで快適さを損なっていたんだな、と。

ポップに「マグカップのような滑らかな飲み口」と書いてあり、その意味が最初わかりませんでしたが、一口飲んで「なるほど!そういうことか!」となりました。

素晴らしい機能なのにちょっと伝え方がヘタですね・・・^^;

ステンレスで魔法瓶

ここに来てわざわざ説明することないんですが、これステンレス製で魔法瓶なんですよね。

当たり前なんですが、あまりに軽すぎて、後でこれがステンレス製っていう表示を見たときに改めて驚いたんですよ。

アウトドア道具の中でいつも「重い」がデメリットの筆頭として挙げられるステンレスなのに、このサーモスはなぜこんなに軽いのかと。

タイガー公式サイトは「独自のスピニング加工」と言っていますが、例によって宣伝がヘタすぎて全く伝わってきません。

天秤を使って従来品との差を表現していますが、天秤って1グラム単位のものすごく微妙な差を図るものというイメージがあるので、逆にそれくらいしか変わってないのかというネガティブキャンペーンになってしまっています。

どんだけ宣伝ヘタなのかと。

せっかくモノが圧倒的にいいのに、広報部は何をやっているんでしょうか。

逆にモノが絶対的にいいんだから言わなくても売れるという考えなのでしょうか。

「つべこべ言わずに一度手に取ってみなさい」スタイル

確かに理屈を並べられるより「とりあえず持ってみてよ」の方が100倍訴求力あるのは間違いないです。

考えれば考えるほど理解不能な軽さなんですが、いや、日本のものづくりって本当にすごいですよね。

水筒なんか小学生の頃使ってたイメージのまま止まってましたが、この20年の間にここまで進化してたんですね。

20年前、「魔法瓶」という名前で世のを一世風靡したあのときの革命的雰囲気を僕は子供ながらに覚えています。
もうこれで一生食っていけるぐらいの勢いだったはずです。なのに、それに甘んじることなく進化の手を止めなかったタイガーには敬服しかありません。

ラインナップ

ラインナップはタイガー公式サイトでは3種類に分けられていますが正直この区分の意図がわかりません。

おそらく容量で分けられているんだとは思うんですが、だったらなぜ同じ型番で2種類の容量があるのかと。

一応型番ごとにカラーバリエーションが異なるようなので、そこが注意点ですね。

一番小型の「MMP-J」はグリーン、ブラック、ピンクの3色で、容量は0.2リットルと0.3リットルの2種類。

基本モデルとなる中型の「MMZ-A1」はグリーン、オレンジ、ピンク、ホワイトの4色で、容量は0.35リットルと0.5リットルの2種類。

大型の「」MMZ-A601」はブラックとホワイトの2色で、容量は0.6リットルのみ。

機能の差はありません。容量と色が違うだけです。

ちなみに僕は中型のオレンジを買いました。

登山中にドリンクホルダーに収めることを考えると0.5リットルが一番収まりがいいからです。

唯一の不満

唯一不満なのはステンレス地そのままのモデルがないこと。きれいな色ですが、所詮塗装なので、使っているとだんだん剥げてきます。

ステンレスそのままだったら目立たないので、これは1つ用意してほしかったところです。

ただ、逆に言えば、不満はそれぐらいで機能的な不満は1つもありません。すばらしい商品です。

最後に

使ってると普通に洗うだけでは汚れが落ちなくなってきます。
主にサビ系の汚れと茶渋やコーヒーなどの色素系の汚れ。
前者は洗浄剤で対処できます。後者はクエン酸がよく効きます。

メンテナンスで半永久的に使えるこのサーモスは、これからのアウトドアライフで手放せない長いお付き合いになりそうです。

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公開日:2019.2.2
更新日:
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