登山キャンプでの着火道具を3年間いろいろ試して行き着いた先はZIPPOだった

タイトルですでに出落ち感がありますが、登山を始めて3年…火を付けるための着火道具にはだいぶ悩まされてきました。
マッチ、100円ライター、バーナー風ライター、パーマネントマッチ、ファイアスターターなどいろいろ試しては問題点が発生し、試してはまた別の問題点が発生し…で、どれも「帯に短したすきに長し」状態だったのです。
が、その試行錯誤にもようやく結論が出そうです。

それが、ZIPPOライター!

ZIPPOとは

…なんて説明する必要は今さらありませんよね。
ZIPPOと聞いてイメージが浮かばない人はいないと思います。
本題に入りましょう。

ダメだった着火道具たち

まずはZIPPOに至るまでに試してきた着火道具のメリット、デメリットを挙げます。

電子式ライター

電子式ライター

メリット 操作が簡単
デメリット 壊れやすい。気圧、気温の影響を受けやすい。火が手元で着くので熱い

まず、一番ダメなやつから。
それが電子式ライター。

電子式とはボタンをカチッと押し込むことで着火するライターのことです。
ライターと聞いてまず最初に思い浮かぶのは100円ライターですが、着火方式には2種類あり、1つがこの「電子式」、もう一つが「フリント式ライター」です。

フリント式ライター

回転式のヤスリで発火させるとともにボタンを押し込むことでガスを出して着火させる方式です。
言葉で書くと回りくどいですが、要するに昔からある典型的な100円ライターのことです。「カチッ」じゃなくて「シュッ」とつけるタイプですね。
フリント式は環境に左右されないので、かなり頼もしい存在ですが、基本的に100eんライターのあの作りになるので、長時間の燃焼に不向きなのがNGです。
燃焼を続けるにはガスを出すボタンを押しっぱなしにしておく必要があり、かつ、その抑えている指と炎がとても近いので、10秒もすると「熱っつっっ!!!!!」
となること請け合いです。

熱いと言えばこの人だね

電子式ライターは気圧や気温が下がると着火しにくくなる性質があります。
山は基本的に気圧や気温が地上より低いので、この時点で不向きなことが分かります。
また、一番壊れやすいのもこのタイプです。
カチカチしてもつかないから気圧のせいかな?と下山して何度カチカチしても、何度ガスを充填しても二度とつかなくなってしまうというのが一番多かったのがこのタイプです。
ちなみに実際に試したのは以下の2つです。

1つはコールマン、1つは仏壇のローソク点火用ライターとして10年以上前からロングセラーの定番商品なので、どちらもしっかりしたブランドの商品なのですが、自分が使った限りではどちらも数ヶ月で使えなくなってしまいました。
気圧が高い山の上は当然として、自宅で使っても着いたり着かなかったり、炎がやたら小さかったりと、アウトドアにはあまりに頼りない感じだったので、先日実家の仏壇にそっと置いてきました。
コールマンの方は炎がガスバーナーの炎のように青い安定した炎が出るので、風の影響を受けにくいというメリットもあります。

Amazonのレビューでは下記のSOTO製のものが評判良いようです。

あとは同じSOTOで「ポケトーチ」という100円ライターをバーナーの炎に変えるアイテムもあります。

が、こちらは使えるライターに限りがあり、100均やコンビニで買ったライターは規格が合わない可能性がありますので、注意が必要です。

マッチ

マッチ

メリット 火が付きやすい。ガスの残量を気にしなくて良い。
デメリット 燃焼時間が短い。湿気に弱い。

一番原始的な方法ですが、マッチは選択肢として悪くないです。
火が付くことが確実に想定できる、というのは当たり前のようですが、貴重なアドバンテージです。
マッチ以外のライターはスイッチを入れても付かなかったり、いつの間にか燃料切れで付かないことがよくあります。
見た目は変わらないので土壇場になるまで気付かないのです。
まぁ、もしかするとマッチも空箱になってたなんてことはあるかもしれませんが、振れば音がするし、ガスのライターよりは認識しやすいと思います。
「ガスのライターだって残量分かるように作ってあるだろ!」という声が聞こえてきそうですが、実際に使っていると案外見ないものですよ。
ただ、燃焼時間があまりにも短いのがデメリットです。
シングルバーナーなど一瞬で火が付くものに使うくらいであればいいですが、焚き火の火起こしなどは専用の着火剤でも使わない限りマッチ一本で火が付くことはほとんどないです。
また、基本的に木なので、濡れると使えなくなるのはご存知の通りです。
火の付きやすさ、付く確度についてはダントツですが、貧弱な感が否めないということでメインの着火道具としては頼りないです。
メインを別に用意しておいて万が一のためのサブ的な着火道具として持っておく分にはいいんじゃないでしょうか。
また、これらの弱点を解消したアウトドア用マッチというのもあります。
防水性になっていたり、着火剤が普通のマッチよりも広範囲に塗られていて、燃焼時間を長くしてあったりします。

↓ブランド品ならこれ。
アウトドア御用達「モンベル」の防水マッチです。

安さ第一ならこれ。安定の中華クオリティです。
精密機器や危険性の高いアイテムは怖くても、このレベルのアイテムなら中華製でも大きな問題はないでしょう。

デザインならこれ。缶がかわいい。こういう小さな所有欲の積み重ねもモチベーション維持には大事ですよね。

ファイアスターター

ファイアスターター

メリット 環境の影響を受けず、どんな状況でも火がつく。
デメリット 火を付けるテクニック自体がかなり高度なスキルを必要とする。

このあたりからマニアックになってきます。
環境に左右されるライターはどうしても不安定な要素を持つ着火道具になってしまいます。
じゃあ、どんな環境でも確実に着火できる道具はないのか?
それを突き詰めた先にあるのが「ファイアスターター」です。

マグネシウムの棒と金属の板がセットになっていて、板で棒を削り、粉末になったマグネシウムを着火剤とし、さらにその板と棒をこすり合わせることで火花を散らせ、その火花をマグネシウム粉末に引火させるという道具です。
粉と火打ち石なので、濡れていようが気圧が変わろうが何の影響も受けません。
遭難してしまったり、サバイバルのような極限の状況なら、これが一番頼もしい存在でしょう。
マグネシウムの棒は削って使うので、一応消耗品ということにはなりますが、これを一本使い切るのは意図的に使い切ろうとしてもそうそうできることではないくらいの量なので、まず心配ないでしょう。
ただ、素材的には確実に火が着くのですが、火を付けるテクニック自体に、かなりのハイレベルなテクニックが要求されるのが大きなデメリットです。
棒を金属でこする摩擦熱で火花を散らすのですが、火花を散らすことまではできてもそれを下に削り落としたマグネシウムの粉末に引火させるのはかなり練習が必要です。
また、これを使うような状況は、意図的に日常から使っていない限り、大体非常事態なので冷静さを失うことで、より着火の成功率は下がります。
椅子やテーブル、テントまで全部その場にあるもので作るというブッシュクラフトという極限の野営にロマンを感じられる人には、文明の利器を徹底的に排除することに喜びも感じられるでしょうが、そうでない一般ピーポーな方には非効率な面ばかりが目に写ってしまうかもしれません。

ドMの極地

あと、ファイアスターターに関してはなぜか日本での取り扱いがなく、中華アイテムに頼らざるを得ないのですが、数100円の中華アイテムにありがちな「注文から到着まで1ヶ月待ち」状態が前提になるので、計画的に用意しましょう。
こんなに安いと中国からの船便で発送するのも一定のロットにならないと赤字なので、まぁそれはさすがに仕方ないですよね。

パーマネントマッチ

パーマネントマッチ

メリット 燃焼時間が長い
デメリット 着火のテクニックが必要。
中華製の粗悪品ばかりでまともな品質のものがなく、オイル漏れ、フタが折れるなど日本製品ではありえない事態が発生する。
オイルの残量がわかりにくい。

普通のライターは不安定…ファイアスターターは着火が難しすぎる…その中間点みたいなアイテムはないのか!
と、いうことで上がってきた候補が「パーマネントマッチ」です。

中にオイルを入れておき、フタを閉めることでフタと一体になっている点火棒にオイルが染み込み、それを側面のヤスリにこすりつけることで発火させるというマッチの進化版のようなアイテムです。
別名「オイルマッチ」とも言ったりもします。

昔、少年ジャンプの後ろの方に通販カタログみたいなページがあったんですが、そこにいつもこれが載ってて、使い方もわからず、使い道も特に無いのになぜか買ってしまったのは僕ぐらいのものでしょうが、もしかすると同年代の方は見覚えぐらいはあるかもしれません。

今の中国とかメじゃない胡散臭さ

結局買ったあとも一度も着火することなくどこかにフェードアウトしていきました…。
まさか20年越しで再会することになるとは感慨深いものがあります。
しかし相変わらず着火が難しい。
さすがに昔と違ってこの製品がどういうものなのかは理解しているので、一応つけることはできますが、難易度はファイアスターターが少し簡単になったぐらいです。
それよりも製品自体の品質の低さが問題としては大きいです。
写真では金属の一体成型のように見えますが、実際はプラスチックの板を張り合わせて、上に金属“風”の塗装を施しただけのレベルで、その張り合わせもかなり雑な仕上げで隙間からオイルが漏れる始末です。
値段相応といえばそうなんですが、かと言って、高額高品質な選択肢は初めから存在しないので、これを選ばざるを得ません。
これはもしかするとファイアスターター以上に趣味で好きな人が持つレベルのものかも…。

ZIPPOライター

さぁ、これまでの紆余曲折を経てようやくたどり着いたファイナルアンサー。
それがZIPPOライターなのです!

メリット フタを閉めるまで燃え続ける。
濡れても使える。
しっかりしたメンテナンスの仕組み。
風に強い。
単純にカッコいい。
デメリット 重い。
高温下に長時間さらすとオイル漏れ・蒸発のリスクがある。

まず、一番のメリットは炎が燃え続けること。
基本的に大半のライターは燃焼を続けるためにはなんらかのアクションを続けなければならず、それが1つの手間になります。
が、ZIPPOライターは逆で、何もしなければそのまま燃焼し続けます。火を消したいときにフタをしめることでようやく実現されるのです。
このちょっとした違いが使い勝手に大きな影響を与えます。
100円ライターのように力を入れ続けなくてもいいし、熱さの心配もありません。

また、燃え続けるには炎自体の強さも重要になってきます。
弱い炎では少し風が吹くだけですぐ消えてしまいます。
ZIPPOライターの炎はそう簡単には消えません。
また、マッチのように湿気てしまうと使えないこともなく、仮に水の中に落としてもすぐ使える頼もしさです。

そして、ZIPPOライターそのものが持つ道具としてのかっこよさ!
これは実用性には直接関係ありませんが、もしかするとこれが一番の魅力かもしれません。
実際にZIPPOライターはコレクターズアイテムとしての歴史も長いです。
ムダのないシンプルな構造だからこそ光る道具としての機能美。
フタを開閉するときのシャキっという音(サウンド)。
メンテナンスすることで一生付き合っていける単なる道具を超えた価値観。
そういった様々なかっこよさが長い歴史で多くの人の心を掴んできたのではないでしょうか。
そしても僕もその一人になりました。
存在は昔から知っていたんですが、なぜここに至るまで候補に上がってこなかったのか自分でも不思議です。
たぶんタバコ用の道具とみなして、「アウトドア」の道具というジャンルから無意識に追い出していたからでしょうね。
いろいろ試して行き詰まったところにこれを見たとき、「そうだ、これでいいじゃないか!」となりましたよ。

ZIPPOライターのバリエーション

基本は無地のステンレスですが、ZIPPOは材質から表面のデザインまで数えきれないほどのバリエーションがあります。
その中でもアウトドア視点でのおすすめとなれば「アーマー」シリーズです。

アーマーシリーズは、その名の通り、基本のZIPPOに比べて1.5倍の厚みがあり、ずっしりとした重厚感がかっこいいシリーズです。
この堅牢さはファッション的にもかっこいいですが、アウトドアでは実用的な面で役に立ってくれるはずです。

見た目が同じの無地もいいですが、個人的にはこのストライプ柄が好きです。
ゼロハリバートンのアタッシェケースみたいなかっこよさがないですか?

あとポップな方向で「マットカラー」シリーズ。

全面につや消しのマットカラーが塗装されていて、一見、金属感がないようですが、改めて見ると、プラスチックには出せない高級感を感じ取ることができ、また、手に取れば金属のひんやり感、重厚感がより伝わり、賑やかな表面の中に本物の品質を密かに持っていることをにじませる演出がニクイ商品です。

ZIPPOライターはすべて永久保証!

意外と知られていなかったりしますが、ZIPPOライターはすべて正規店で永久に品質が保証されています。
フィルターやフリントなどの消耗品や、キズなど実用的な機能に影響のない部分は対象外ですが、火がつかなくなったなど、ZIPPOがZIPPOとして使えなくなってしまったことに対しては永久に保証されます。
数千円で買えるものにこのサービスってすごいですよね。
こういうバックアップがあることでまたさらに長く付き合っていこうと愛着がわくのもZIPPOライターの良さだと思います。

ぜひ、お気に入りの相棒を見つけてみてください!

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公開日:2018.6.10
更新日:
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