登山の持ち物「それ本当に必要?」「それそんなにお金かける?」

今回は登山に必要な持ち物を考えてみよう。
ネットとか本でちょっと調べてみましたけど、登山の持ち物って「最低限」っていうものだけでもかなりたくさんありますね。
どこの情報でも20種類から30種類ぐらいはあるイメージです。
リストで見るとズラーッと並んでいるから、初めての人には敷居が高く感じるかもしれないが、なぜそれが必要なのか1つずつ理解することで、納得の度合いも変わってくるはずだ。
2つのアイテムを1つで兼用することができる場合もあるからそのあたりを考えてみよう。
まずは、典型的な登山の持ち物リストを載せてみる。
登山用品名称 必須度 品質度
ザック 5 2
登山靴 4 5
レインウェア 5 5
ザックカバー 1 1
5 1
ヘッドライト 5 1
電池 5 1
地図 5 3
コンパス 5 3
腕時計 2 4
山岳保険 5 4
登山届 5 1
携帯電話 5 1
5 2
エマージェンシーシート 5 1
ライター 5 1
タオル 5 1
ティッシュ 4 1
食事 5 1
行動食 5 1
非常食 5 1
健康保険証 5 1
ビニール袋 4 1
サブバッグ 3 3
インナー 5 3
ミッドレイヤー 3 4
アウター 4 5
タイツ 4 3
浄水器 5 5
ナイフ 3 3
ビタミン 4 3
ロープ 3 4
現金 5 3
手袋 3 1
USBケーブル 5 1
モバイルバッテリー 5 1
ガス 2 5
バーナー 2 3
コッヘル 2 3
帽子 3 1
こうやってリストで見るとやっぱり構えてしまいそうですね…。
「必須度」「品質度」ってどういうことですか?
初めてで全部一度に揃えようとするとダブルでハードルが上がるので、優先度をつけてみた。
それぞれ5段階評価で、「5」が重要、「1」はそうでもないイメージだ。
必須度が5であれば登山に行くときは必ず持っていかないといけない。
品質度はその登山用品の品質にこだわるべきかどうかを示す。
5はちゃんとしたものを買うべき、1だと百均でも使えるぐらいのイメージだ。

必須度5アイテムだけ表示

必須度が高い登山用品は品質にもこだわるべきかと思ってましたが、そうとも限らないみたいですね。
そう。とりあえず安いものでも持っていればOK、ただし持ってないのはアウト、みたいな登山用品は結構多い。
種類が多いから初期投資がかかりそうな気がするかもしれないが、お金をかけるべきところと妥協してもいいところを見極めれば、そんなに尻込みすることはない。
ただ、見極めは大事だ。なんでもかんでも安くすまそうとするのは、まさに「安物買いの銭失い」だ。
それどころかケチってはいけないところをケチることで命の危険に影響する恐れもある。
どこを安く済ませていいのか、その目安がこの「品質度」だ。
ザックってなんですか?
リュックサックのことだ。登山する人はなぜかザックと言いたがる。
同じ意味なんだが、言わなきゃ負けみたいな暗黙のルールがある。
むしろザックは単なる「袋」のニュアンスが近いからリュックより意味的には遠いんだけどな。
レインウエアってなんですか?
カッパのことだ。登山する人はなぜかレインウエアと言いたがる。
同じ意味なんだが、言わなきゃ負けみたいな暗黙のルールがある。
なんでも省略したがる現代日本において、なぜわざわざ文字数を増やしてまで言いたいのかわからん。
スパゲッティのことをパスタとか言っちゃうようなものですか?
そうだな。
でもマカロニのことはマカロニって言っちゃうやつですか?
そうだな。
マカロニもパスタなのに、なぜマカロニはパスタって言わないんですか?
うっさいハゲ。
えっ、どっちかというと先生のほうがハゲてますよね。
話を戻そう。
それにしてもやっぱり数が多いですね。
まずは必須度「5」の登山用品だけでもいいですか?
そうだな。「5」をつけたものは「これを揃えないなら登山するな」というレベルのものだ。
これがない場合、単に自分が遭難するだけで済まず、人に迷惑をかけることになりかねない。
「自分だけよければいい」みたいな考えだとみなされても文句は言えないだろう。
逆に言えば、これを揃えたらとりあえず登山に行く権利だけは得たと言える。
必須度1-4はもし持っていなくても人に迷惑をかけたり命の危険に直結する可能性は少ない。そのときの登山がかなりしんどいものになったり、いろいろ妥協しないといけなくなったりするぐらいはあるだろうがな。
登山靴は「4」なのは、とりあえずスニーカーでもいいという判断だ。いきなり3000メートル超えのアルプスとかに行くならスニーカーが論外なのは言うまでもないが、そんなことは普通ないだろう。
1000メートル以下の低山と仮定すればスニーカーでもとりあえずいい。ただ、同じように登山しても登山靴のほうが確実に疲れにくいし歩きやすいから、続けるなら必須度は高い。そのあたりの判断で「4」にしているわけだ。
なるほどー。
ただ、直接的な原因にはならなくても二次的な要因にはなりうる。
同じ登山靴を例に挙げるなら、スニーカーで登山したことで、登山靴だったら防げた捻挫や、足を滑らせて滑落といったリスクは高まる。
だから優先順位をつけているからと言って、「なくてもいい」ものとは決して思わないように。
わかりました。

自分のことよりも人のことを考えて準備する

「登山用品を揃える」イコール「自分が必要なものを揃える」と思いがちです。
もちろんそれは間違いではありませんし、登山のマニュアル本なんかにもそう書いてありますが、僕はその登山用品がないときに遭難したらどうなるか、他人にどんな影響があるかを最初に考えるようにしています。

ここで挙げた登山用品リストで、「必須度5」をつけたものに注目して、これがないとどうなるかをシミュレーションしてみましょう。

あなたは近所の山に登山します。

どこかで道を間違えたらしく、どこを歩いているのかわからなくなります。

道がわからなくなると気持ちに余裕がなくなります。

それが災いして道を踏み外し、谷底に滑り落ちます。

その拍子に足を骨折して歩けなくなります。

この時点で遭難成立です。

遭難というと数千メートルの日本アルプスみたいな雪山で吹雪の中、「寝るなー!寝たら死ぬぞー!」なんて切迫した場面を思い浮かべる方が多いかもしれませんが、近所の1000メートルぐらいの高さの山でも遭難は起こります。
素人が考える以上に遭難は身近にあるということをまず知っておくべきです。

そして携帯の電波も届かない場所であれば、じっと耐えるしかない状況に陥ります。
帰るはずの時刻になっても戻ってこないとき、あなたの家族や会社の人たちは警察に捜索依頼を出すでしょう。

そこでまず「必須度5」アイテムの「登山届」。
これを提出していたかどうかで大きく明暗が分かれます。
登山届とは自分がいつ、どんな山に、どんなルートで登山するのか、登山用品は何を持っているのか、いつごろ帰る予定なのか、遭難した場合にどれぐらい耐えられるのか(食事の量や防寒対策など)を書き込んで登山前に提出しておくものです。

これを出していなかったらどうなるでしょうか。

どの山に行ったかぐらいは普段の会話で誰かしら知っているかもしれません。
それすら伝えていなかったら最悪ですが…。

とりあえず山はわかったとして、じゃあその山のどこを歩いたのか?

1000メートルレベルの山でもいろんな登山ルートがあるのが普通です。

登山届けを出していればそのルートを探しますので、一気に捜索範囲が絞り込めます。

そのルートから目の届く範囲での遭難であれば遅くとも1日あれば救助してもらえるでしょう。

ですが、提出していなければその山のルートの全部が捜索範囲になります。5つルートがあれば単純計算で5倍の捜索時間が必要です。

この差を想像することはそんなに難しいことではないでしょう。

そして、どちらにしても、どんなに早くても捜索時間は数時間はかかることも想像できたのではないでしょうか。

まず、自分から連絡できない限りは周りの人間は「この時間まで帰ってこないのはおかしい」と思うまで行動を起こさないわけです。

もし昼の14時に遭難したとしても周囲の人たちはどんなに早くても夕方暗くなっても帰ってこないころに始めて万が一の事態を想像し始めるのです。

それが19時だとするとその時点ですでに5時間経っています。

そこから警察や捜索部隊が動き出すまでに2時間はかかるでしょう。それでもう7時間です。

そこからようやく捜索開始。先に述べたような捜索時間が上乗せされるわけです。

ざっくり計算しても最低10時間以上はかかることが想像できるでしょうか。

10時間経てばお腹は空きます。喉も渇きます。そして何より、夜が来ます。

ここで必須度5の「食事」「レインウエア」を持っているかが重要になってきます。
レインウエアというと雨専用と思いがちですが、とんでもないです。

防寒着として大変役に立ちます。個人的にはむしろそちらの目的で持っていくことが多いです。

「雨が降らないから持っていかない」なんて考えはあまりに無責任と言えるでしょう。

エマージェンシーシートもありますが、あれを使っている間は動けないので、あまり現実的とは思えません。

もちろん保温、断熱効果は高いので、寝るときや動けないときには重要になってくるのですが、僕はレインウエアの方が大事なように思います。

そして、遭難したあと、食事や寒さ対策でなんとか一夜しのいで夜が明けたとします。

そのとき動けるようなら下山に向けて行動を起こすことになります。

が、

そこで必要になるのが必須度5の登山用品「コンパス」と「地図」です。

地図はもちろん紙の地図です。携帯やスマホの地図もありますが、ここまでのシミュレーションで薄々わかるかもしれませんが、こんな状況ではとっくに電池切れで使い物にならないことでしょう。

仮に電池が切れていなくても地図なんかに電池を使うべきではないでしょう。

とにかく電話が通じる場所を探して連絡するための手段としてとっておくべきです。

そして地図と同じぐらい重要なものがコンパスです。

地図だけあればなんとかなると思うかもしれません。

しかしそれは道路地図の場合です。

山の中はどこも似たような景色です。

下手すると今自分がどっちの方角を向いているのかさえ分かりません。

時間と太陽の位置でその時点の方角を判断する方法はありますが、山道はくねくね曲がっているので、すぐにどっちを向いているのかわからなくなります。
遭難したような気持ちに余裕が無いときはなおさらです。

だからコンパスが重要なのです。できれば高度計もあったほうが位置をつかみやすいのですが、そこまで準備している人は少ないでしょう。

ちなみに5千円の腕時計で高度計がついているものがあります。

ヘタに高度計単品で買おうとするとプロ御用達のようなものになって簡単にウン万円になりますので、腕時計がおすすめです。

中国製で見た目はチープですが、初心者レベルでの実用性は充分です。

コンパスと地図があればカーナビのように自分の進む方向をずっと指し示してくれるとともに自分の位置や移動距離を把握でき、下山までの展望が一気にひらけます。

とまぁ、登山用品についてはこのようにシミュレーションすることで必要度を考えています。

必須度5の登山用品がなかったらどれだけリスクが高まるか、どれだけあなたの周りの人たちに心配や迷惑をかけるかイメージできれば幸いです。

広告
公開日:
↑