登山初心者のザック選び-トップローダーとパネルローダー-

登山用品といえばまず思い浮かぶ「ザック」。
一番大事とも言えるアイテムだからこそ、選択肢も多く、何を選んだらいいのか迷いやすいです。
ザックを選ぶときのポイントを理解し、自分にあったものを見つけましょう。

「ザック」という呼び方は登山経験者以外には耳なじみがないかもしれませんが、要するにリュックサック、バックパックのことです。
どの呼び方も間違いではありませんが、登山用で使うものはザックということが多いようです。

ここではザックについて、選び方やメンテナンス方法を説明していこう。
小学生のころ、遠足で使っていたリュックがありますけど、それじゃダメなんですか?
登山の持ち物」で、紹介した「登山に行くなら絶対に持っていないといけない登山用品」が収まるなら一旦はそれでもいいだろう。
問題になってくる点として以下のものがあげられるが、必要になったときに買い替えても遅くはない。
むしろ、自分が本当に必要に思った機能にフォーカスして選んだほうが満足度が高いかもしれないしな。

【登山用とそうでないリュックの違い】
・肩に荷重が集中する
・同じ荷物でもより重く感じる
・一度背中から下ろさないと荷物が取り出せない

登山用ザックにはどんなメーカーがあるんですか?
・グレゴリー
・カリマー
・オスプレー
・ドイター
・マムート
・モンベル
・ノースフェイス
・ミレー
・ブラックダイヤモンド

ザッとこんなところだ。

メーカーごとに違いはあるんですか?
ザック界のロールスロイスと言われるグレゴリー、ウエストベルトの頼もしさが圧倒的なドイター、コストパフォーマンスの高いモンベル、おしゃれなノースフェイス、のようなイメージはあるが、モデルごとの違いもあるので、そんなにハッキリした違いがあるわけじゃない。
どれも違うようであり、どれも同じようでもあり、それぞれ良さがあって、何を選べばいいのか全然わかりませんね。
ポイントは3つ。「容量」、「背面長」、「タイプ」だ。

容量はなんとなくわかりますが、「タイプ」?

たとえばこの2つ。サイズは同じだが大きく違う点がある。
なんだと思う?

オスプレーのほうが街でよく見るリュックの感じ…カリマーのほうはプロっぽい…
なるほど。それはある意味では正解かもしれない。
ザックには大きく2つのタイプがある。
上にフタがついているタイプと、ファスナーで開閉するタイプだ。
前者は「トップリッド」とか「雨蓋(天蓋)」タイプと言われる。
後者は「トップローダー」とか「パネルローダー」とか言われる。
どっちもそれぞれ良い点、悪い点があるが、登山用のザックでは雨蓋付きのものが8割ぐらいを占める。
一方、タウンユースで雨蓋付きのものは少ない。
雨蓋付きがプロっぽくて、ファスナー開閉式のタイプが街でよく見るというイメージは、その通りだと言える。
雨蓋付きのほうが登山向きということですか?
どちらかと言うと雨蓋付きのほうが都合がいいことが多いかもしれないが、個人的にはそう言い切れない印象がある。
上で8割を占めると言ったが、そのシェア率から受ける印象ほど雨蓋付きが登山向きというわけでもない。
雨蓋付きはどんなメリットがあるんですか?
雨蓋はただのフタではなく、これ自身がポケットを兼ねていることが多い。
雨蓋の外側にポケットを備えているものも多く、ザックを背中からおろして中を開けて探らなくてもすぐに取り出せるのが最大のメリットだろう。
頻繁に使うものを毎回ザックの中から探すのは確かにまどろっこしい気がしますね。
脱いだ服を一時的に挟んだりするのにも雨蓋は便利だ。
雨が降ったりやんだりするときにいちいち中に収納するのは結構な手間だし、中身も濡れる。
そんなときは雨蓋で挟んで、またすぐ着られるように一時預かり所みたいな使い方ができるのも雨蓋のメリットだ。
硬いものや薄いものはずり落ちてしまう恐れがあるが、服のような厚みとクッション性のあるものなら問題ない。
登山は細かい体温調節が大事と言われてましたね。
確かにこれならすぐまた着れるから便利かも。
じゃあ逆にデメリットはありますか?
2つのバックルで固定するので、開閉が意外と面倒だ。
あと、構造上、取り出し口が狭くなりがちだ。
底のものを取り出すのは結構しんどい。
まぁ、登山メーカーのモデルなら大体が下からも取り出せるようになっているものが多く、その欠点はあまり心配する必要もないが。
そして、ファスナーで開閉するタイプは雨蓋タイプのデメリットがそのままメリットになる。
ザックの半分ぐらいが開閉するので中身が非常に見やすいし、収納もしやすい。
ザックに道具を収納するときは形や重さを考えて収納しないとスペースがいくらあっても足りないし、ヘタな詰め込みかたをするとムダに重く感じる原因にもなる。
このあたりを効率的に計算して収納するテクニックを「パッキング」なんて言ったりするが、パネルローディングだと上から下まで見通しがいいため、そのスキルがなくても効率的なパッキングができる。
ただし、ファスナーの構造上、ずっと歩いているうちに振動でいつの間にか開いてしまうことがある点は注意が必要だ。複数人での登山なら後ろの人が教えてくれるだろうが、一人だとずっと気づかないままあるき続けることになりやすく、知らないうちに中身を落としてしまうかもしれない。
雨蓋タイプはヒモで巾着のように絞った上でストッパーが付いているからこういう心配はほとんどない。
なんとなく登山メーカーのラインナップをネットで見てみましたけど、ほとんど雨蓋タイプですね。
そうだな。パネルローディングタイプは30L以下のハイキング、トレイルランニング用のものに多い。
大きなモデルでパネルローディングのものはないんですか?
グレゴリーのバルトロというモデルが大型ながらパネルローディングを採用している。雨蓋式のメリットはそのままに、前面が大きくU字型に開く構造になっていて、とても使いやすい。
…高いけど。
じゃあこれでいいじゃん、って思いましたけどやっぱりそういうのはお金に反映されるんですね…。
では、次回は背面長について説明していこう。
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