福岡ドタバタ登山ブログ「ヤマログ」

山の疲れない歩き方

だいぶ登山にも慣れてきた気がするんですが、すぐ疲れるのは相変わらずなんですよね。
体力や筋力は1ヶ月や2ヶ月でつくもんじゃないからな。
しかし、それだけじゃない。
登山の疲れは「歩き方」で大きく変わる。
歩き方?
普通に歩くのと違うんですか?
普通に歩くと疲れる。
初心者が疲れやすいのは体力がないことよりも歩き方を意識していないことが大きい。
歩き方なら実践すればすぐに効果が出るから早いうちに覚えておいたほうがいい。
でも歩き方って言っても何も思いつかないですね。
ベテランの人が登っているのを見ても普通に歩いているようにしか見えませんけど。
まず、大事なのは意識してゆっくり歩くこと、歩幅を狭くすること、あとは姿勢。
この3つを意識すればかなり違うはずだ。

ゆっくり歩く

ゆっくり歩くってどういうことですか?
普段、歩いている普通の道と山道では傾斜が違う。
当然、傾斜がキツイ山道の方が体力使う。
だから、傾斜のキツさに合わせて速度を調節しないとそれだけ体力を使うということだ。
確かに息切れして「もうダメ」ってなるまで普通に歩いてるかも。
普段単調な道に慣れているから無意識に同じリズム、同じ速度で歩こうとする。
しかし山道は同じ道が続くことのほうが少ない。
そこに疲れる原因がある。
自転車やバイク、車でイメージするとわかりやすいかもしれない。
そう言われれば自転車で坂道を登るとき、平坦な道と同じスピードを維持しようとするととてもキツイですね。
そう。でもゆっくり登れば時間はかかるが疲れは少ない。
自転車だと分かりやすいが歩きだとこの違いがわかりにくい。
だから、気付いたときには息切れしていつの間にか体力を使い切っていることになりがちだ。
確かに傾斜が急になったときに「う、キツイ」と一瞬思いますけど、その分スピードを緩めるってことはしないなー。
なんか負けた気がするっていうか(笑)
その一瞬感じた感覚が実は大事なんだ。
歩くスピードをころころ変えるようなことは普段しないから違和感があるかもしれないが、普段とは違う道を歩いているんだからそれが当然なんだな。

歩幅を狭くする

あとは歩幅を狭く?
そう。
目安としては足一個分だ。
足を踏み出したときに後ろ足のつま先から前足のかかとまでに足が一個入るくらいの歩幅でいい。
うわ、実際にやってみるとかなり狭いですね。
全然進まない気がする。
そこでまたスピードが落ちないように足をすばやく動かしたくなるかもしれないがそんなことをするとまた疲れるので注意しよう。
でも、やっぱり歩幅を小さくした分、遅くなりますよね…。
疲れるとその分まとめて休む時間が多くなる。
歩幅を小さくすれば疲れがたまりにくいから継続的に歩くことができる。
トータルで見れば実はそんなに変わらなかったりする。
それで疲れが少ないならそっちの方がいいだろう。
確かに…。
もしかすると車に似てるところがあるかも。
車で2倍のスピード出しても2倍早く着くことってないですよね。
歩幅で特に気をつけたいのが段差だ。
初心者ほど大股で一気に段差を処理しようとする。
え?でも段差は途中で分割することはできないし…。
分割はできないが、迂回ができる場合がある。
たとえばまっすぐ進むと段差になっていても左右に斜めに登っていけば段差ではなく坂道で済む場合など山道ではよくあるだろう。
ああ、確かに…。
でもなんか遠回りしてるような気になってそのまま真っすぐいってしまいますね。
1回1回は直接疲れを感じることには繋がらなくても、それがだんだん積み重なってくることを覚えておくといい。
また、回り道までしないとしても、まっすぐ登る場合にも工夫はできる。
それは「タテの移動だけに集中する」ことだ。
え?
普段の道の感覚で段差を処理すると、段差を超えながら前にも進むような感じで超えるだろう。
そうじゃなくて、段差のときは前に進むことを意識的にあきらめると体力をムダに使わなくて済む。
具体的には段差のギリギリまで進む。
段差の根本に足の先がぶつかるぐらいまで近づく。それまでは段差の上には踏み込まない。
段差の根本にぶつかったら初めて次の一歩を段差の上に踏み出す。
そして踏み出した足は段差の一番手前に置く。
こうすることで後ろ足のつま先と前足のかかとが同じ位置に来ることになるので、タテには段差分移動するが、横の距離的にはほとんどゼロになる。
あー、なるほど。そんな登り方はしていないなー。
歩幅そのまま段差を超えていますね。
あと、急な傾斜はまっすぐ歩くよりも斜めに歩くとラクになる。
道をジグザグに歩くようなイメージだ。
もちろん一直線に歩くよりも距離は長くなるわけだが、足の筋肉に負担をかけるよりも結果的にラクだ。

まっすぐな姿勢

あとは姿勢ですか?
どんな姿勢がいいんですか?
頭から足まで一直線にすることが望ましい。
一本の長い棒を背中に通しているようなイメージだ。
初心者や疲れやすい人に限ってこれができていない。
前かがみになってしまっていたり、ずっと下を向いたまま歩いていたりする。
この歩き方は姿勢から来る疲れだけでなく、精神的にも疲れやすい。
遠くを見ると自然と体が前に進むものだが、目の前の地面ばかり見ていると前に進まない。
視界に地面しか入らないから景色が変わらず、進んでる実感がないから余計に「いつまでこれが続くんだ」というネガティブな精神状態になりやすい。
また、周囲の状況が判断できていないから道を間違えたり、つまづいたり、危険にもつながりやすい。
疲れたときほどそういう姿勢になってるなー。
それがさらに疲れを増やしてたのか…。
足先にもポイントがある。
普通は進行方向にまっすぐ向けて歩くが、山を登るときはつま先を開くような角度で歩くと踏ん張りが効いて体の余分な筋力を使わずに済む。
開く角度は傾斜に合わせて調節するといい。
傾斜がキツイほど開くことになる。
ガニ股ってことですか?
少し違うな。
ガニ股だと足全体を外に開くことになるが、開くのはあくまで「足先」だけだ。
あ、なるほど。
あとは歩くときの一歩一歩を重心移動で自然に踏み出すようにすること。
え?どういうことですか?
体を前に倒しこんでいくと倒れないように足を踏み出して支えるだろう。
そのイメージで自然に足を踏み出すようにすると余分な筋力を使わない。
足の力だけで踏み出すと疲れやすい。

着地は足のウラ全体で

歩くときの足の着地の仕方も気をつけたい。
普通に歩くときはかかとから着地してつま先まで順に地面に着けるイメージですよね。
山ではその歩き方だと疲れやすくなる。
また、関節に負担がかかりやすい。
足の裏全体を同時に地面に着けるようにするのがいい。
ベタッとくっつけるようなイメージですか?
バタバタ音を立てるような歩き方じゃないぞ。
それだと着地する足に体重を乗せることになり、ヒザや足に負担がかかるから結局疲れる。
自然に歩きながら全体で着地するんだ。
先に述べたが、小幅で歩くこととセットで実践するといい。
大幅で歩くとどうしてもつま先が地面に届かない。小幅で歩くことでそれがしやすい。
また、歩くときの体重移動は足のウラ全体を地面につけたまま体全体を前にスライドさせるようなイメージだ。
前の足が着地するまでは全体の荷重は後ろ足に残しておくと踏み出した前足に負担がかからない。

最初ほどゆっくり

登り始めるとすぐに息が切れるのは何ででしょうね。
最初だから一番体力残ってるはずなのに。
それは体の準備ができていないまま登ってるからだ。
登り始めはすぐに息が切れたのに、1時間ぐらい登ってると同じペースでも息が切れなくなるのは体が「動く」体制になったということだ。
要するにウォーミングアップができているかどうかだ。
そのあたりを考えると登り始めほど意識してゆっくり歩くようにしたい。
また、休憩もこまめに。
登り始めたばかりでこんなに休憩ばかりしてて大丈夫かな…って思ってしまいそうですね。
そう思いたいのは分かるが、そこは体のサインを信じたほうがいい。
目安としては口呼吸だな。
息が上がっていなければ鼻で呼吸できるはずだ。口で呼吸しないと間に合わないようではすでに息が上がっている。
呼吸を整えるイメージで休むことだ。

休憩はこまめに、でも休みすぎない

こまめに休むけど休みすぎない…?
なんか矛盾してるような…。
そんなことはない。
さっき言ったことと重なるが、呼吸が乱れたり足が疲れてる状態を続けることが先の疲労につながる。
少しでも呼吸が乱れたり、疲れを感じたらすぐに休むことだ。
ただし、休みすぎると逆効果だ。
さっきも言ったように体が運動する体制に入っていないとムダに疲れる。
休みすぎるとせっかく温まった体がまた冷えてリセットされてしまう。
それよりも短い休憩をこまめに取るほうがリズムも崩しにくい。
ガーッと登ってガーッと休む、みたいなのは一番負担のかかる登り方を自分からやってるようなものだ。
めっちゃそれやってましたけど…。
学生時代に部活はしてたか?
トレーニングに「インターバル」ってなかったか?
ああー、あのめっちゃキツイやつですね。
アレほんと嫌いだったー。
ガーッと登ってガーッと休むのは結局インターバルをやってるようなものだ。
トレーニングとしては効果的だが負荷が高い運動だからキツイ。
あああ、そういえばそっくり!
嫌いだったトレーニングを自分からやってたなんて…。

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手の位置

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