いやー 先週の雷山はさんざんだったわ。
井原山山頂目前で諦めることになるし、初登場の中華アイゼンはいつの間にか蒸発してるし。
まぁ遭難しなかっただけありがたいと思うところだよね…あのアイゼンは身代わり地蔵になってくれたんだよね…。
両足とも・・・。
・・・。
くそっ なんか釈然としないぜ!
いま「釈然」って書いて、あれ、これお釈迦様の字が入ってるけど、もしかして日常で普通に使ってるけど実は仏教が語源的なやつじゃね、今度の法話で話のネタになるんじゃね、とかヤラシイこと考えながら「釈然 語源」とかで調べたところ、全く関係なかったですね。なんで今ここで話題に持ちだしたんでしょうね。まぁヤラシイ思いへの報いってことで。
因果応法的な。
うまくまとまった。
ということで、性懲りもなくまた雷山・井原山へGO。
中華アイゼン奪還の旅!
2000円のためにまたあのドタバタ劇に挑むとかリスクとリターンが全然釣り合ってませんけどね。
ドタバタ感詰め込みすぎて、あの日記過去最長でしたからね。たぶんあれ読み切った人いないですよね。書いた本人があきらめたぐらいだし。
いや、実際お金はどうでもいいんですけど、あんなの山の中に捨てるとかー、完全にダメなヤツじゃないっスかー。自分そういうの大事だと思うんスよねー(←成人式で「大人になって思うことは?」ってインタビュー受けてる風)
大体あのゴムニオイやばかったし。廃タイヤ置き場かと思ったし。あれ絶対産業廃棄物的なアレだろ。中華だし。
さて、前回は雷山から井原山に行ったので今日は井原山から逆に行ってみよう。
井原山側にもコミュバスが通ってるので、前回と同じく利用させてもらいます。
電車は1つ隣の波多江駅で下車。
駅から少し離れた波多江駅西のバス停からコミュバスに乗って終点まで。
やっぱ200円は破格すぎる。
終点に降りると、前回のドタバタ感が生々しく蘇ってきました。
前回と逆に歩いていくわけですが、途中の分岐をわざわざ遠回りしてたり、沢を渡ったところも今見ればいたるところに安定した場所が見つかったりで、まー焦ったときの視野の狭さってヤバイなーと。普通のときの半分ぐらいしかないんじゃないかこれ。
前回この道を走って降りてきたなぁ あの頃は若かったなぁ(微笑み)
あれだけ自分に落ち着けと言い聞かせて、それなりに冷静な判断してたつもりだったけど、全然ダメダメじゃないか。
ここ、なんでわざわざ通行止めのサイン出してるか逆から来てわかった…確かにこっちからだとまっすぐ行きたくなる…怖いわー
例の丸太のところに来ました。
ちょうど後ろから登山者な方がやってきたので、どうやって渡るのか見学させてもらいました。
…あ、なるほど…丸太の上流側を渡ればいいのか…そりゃそうだわな、先週わざわざ下流側渡ってリュックを丸太の上から放り投げて本人は下からくぐるみたいなムダにアクロバティックなことやってた人がいたけど自分から難易度上げて何が楽しかったんだろうなあの人。まぁ僕ですけどね。
しかし雪が本格的に降り始めてきたな。
汗かくとマズイからとTシャツになったらめっちゃ空気冷たい。暑いけど寒いみたいな意味わからない感じになって、なんかヤバイパターンな気がしたので着直しました。
体があったまってるから気付かないけど、この空気の冷たさからするとたぶん気温マイナスだし。
ていうか雪が完全に氷になってて、リアルに滑る。
このまま行くとさらにキツくなって行くことも戻ることもできなくなる気が…戻るか…?
しかしここから戻るのは余計危ない気がする。登りでこんだけ滑ってたら下りとか余計ムリな気がする。
先週の感じだと井原山より雷山側の方が平和な感じだったので先に進んだ方が安全と判断してソロソロ進みます。
で、どうにかこうにかで井原山山頂到着。
が、雪は完全に吹雪になって休むどころじゃない! 山頂風通し良すぎてヤバイ!
子連れの親子三人が普通にランチしてたけど、なんだその牧歌的な落ち着き具合は!ファミリーのランチってもっとあったかい芝生みたいなところでタープ張ってレトリバーとフリスビーしながらつつくもんじゃないのか!(偏見)
でもノリはあったかい芝生ランチのノリだったんですよね。風景とのギャップがすごすぎて合成写真みたいになってましたからね。
自分はというと休む気はないけど、とりあえず何か食べて体の中から熱を発生させないとたぶん死ぬみたいな八甲田山バリなガチ具合で、牧歌ファミリーからわずか5mの距離で悲壮感の差が尋常じゃなかったですよね。
夏にも一人で八甲田山登ってた気がしますが、よく登りますね。八甲田山どころかまだ1000m以上登ったことないんですけどね。
とりあえずおにぎり食べてすぐ出発。
ヤバイ、手が冷たい!ていういか冷たすぎて痛い!
い た い !(うるさい)
そうですね。おにぎり食べるときに手袋外してたせいで完全に冷やされてしまったんですね。
わりと本気で凍傷になるかと思った。
あとで「山と渓谷」的な本読んだら、まさにこのことが愚行として上がってて乾いた笑いが出たもんですよ。
カイロいるなー。ジッポーのあのオイル入れて使うやつ買おうかなー。
手だけ温まってもしょうがないとか思ってたけどここまで痛くなるとかなり必須アイテムな気がしてきた。
で、ここからが今回のメインテーマ。アイゼン捜索ですよ。
アイゼンは雷山からここまでの縦走ルートの間で消息不明になった。
とりあえず普通に歩いていくけど、あまりノロノロ歩きすぎて遅れたらまずいし一応下山までの時間計算もう一回しとくか。
・・・あれ?なんか時間やばくね?
雷山→井原山
始発で9:45登山開始、井原山側最終は17:00
17:00 – 9:45 = 7時間15分
井原山→雷山
始発で10:21登山開始、雷山側最終は16:10
16:10 – 10:21 = 5時間49分
ヤ ベ エ !
登る前にこれ計算してた気がするのになぜか今さら気付く感じになるという見上げた緊張感のなさです。
先週に引き続きまたドタバタ劇の始まりです。ぶっちゃけもうアイゼンどうでもいいです。
いや、一応普通に歩いてギリギリ間に合う時間なので前回よりだいぶマシではあるんですが。
先週の通行止めなアレは壊されてました。まぁそりゃそうだ。あれからだいぶいろんな可能性考えたけどたぶん通行止めする意味ないし。
中間ポイントの道標に手書きで「ここまで55分、ここから30分」「がんばれ」「ありがとう」みたいな落書きがあったんですが、これにかなり救われましたね。
これですね、この一番下のほとんど見えないけどこの時間表記に救われた人がここにいるわけですよ。落書きといえばそうなんでしょうけどね ええ
まだヘタレの自分としては登山地図の時間通りに歩ける自信がないので不安だったりするんですが、この落書きの何が良かったかって「ここから」だけじゃなくて「ここまで」の時間も書かれてたことなんですよ。
「ここまで55分」というのが今まさに自分が歩いてきた時間と同じだったので、ここから30分の信憑性がめっちゃ心強かったです。
…まぁそもそも地図ちゃんと読んで時間計算できないといけないんでしょうが…。
雷山山頂に到着。
雷山山頂。もう誰もいまへん。奥の人あのカッコでここまで来たって凄いな…
休む暇ないのでそのまま下山。
予想通りだいぶ雪が落ち着いてきました。それでも上宮までの道は結構恐る恐るでした。
こっちは前回平和に登ってた思い出もあってだいぶ落ち着きを取り戻してそれなりのペースで無事下山。
雷山観音前から帰りもはまぼう号にお世話になりました。
運転手の女性の方がずいぶん人当たりいい人で、いろいろ話しました。
いいなーローカルの良さだなー。
「登山ね~何か打ち込めるものがあるっていいよね~私もそういうの何か一つ欲しいな~^^」
「登山やりましょうよ~」
「登山ね~昔しようとしたんだけどね~息子がリストラで鬱になってしまってね~自殺未遂になったりいろいろ大変でそれどころじゃなくなっちゃって~アハハ^^」
・・・ん?ちょ、待
「このまえ乗ってきた人でね~かなり酔っ払ってて~なんか様子がおかしいなーとは思ってたんだけど〜急に怒りだしたりして~しまいには包丁突きつけられたりして大変だったのよ~アハハ^^」
・・・あ、あの、ちょっと・・
「こんな山の中だったら助け呼んでもどうしようもないじゃな~い?そのあともそういうこと何回かあったんだけど~だからいつもドキドキなのよね~」
いやいやいや!事件ですからそれ! めっちゃ和やかな話し方でめっちゃ楽しそうに話すからだいぶ反応遅れましたけど事件ですからそれ!
姐さん事件です!言うてる場合か!
そのあと会社に言ったほうがいいですよ、ていうか言わないとダメですよ、みたいなハナシをしばらくしたんですが、そうするといろいろ二次的な問題が出てくるようで内部事情を知らない自分がこれ以上口を挟める感じじゃなかったので、そのまま引くことに。
うーん心配だ…なんか起こってからじゃ遅いぞ…。
と、最後は山と関係なくなってしまいましたが、今日も前回の反省が全く生かされない、すばらしいドタバタ劇になったのでした。
あ、結局アイゼン見つからなかったです…誰か拾って、使うかゴミとしてちゃんと処分してくれてたらいいんですけどねー。
(最後の件はそのまま書くとまずい気がしたので脚色ありです)