中華ペトロマックス「バタフライランタン」のニードルが永遠に折れ続ける問題

バタフライランタンは当たり外れが大きいランタンです。
ハズレを引くと、工作精度の甘さからムダにトラブルに悩まされることになります。
いや、ハズレじゃなくても悩まされるのが当然というべきか。
自分の場合、ニードルがとにかく折れまくるという問題に悩まされてきました。
が、ある日急に解決したので、解決策を発表します。
それは
「折れたまま使えばいいじゃん」
ということです。
では、掘り下げていきます。
加圧ランタンはニップルの穴にニードルを通すことで、使わないときに灯油が漏れ出るのを防ぐ、「栓」の役割を果たしています。
髪の毛のような細さの針を同じぐらい細い穴に上下させて通すという繊細な構造なのです。
が、バタフライランタンにそんな繊細な工作精度などあるはずもなく。
ニードルがニップルの穴にうまく通らず、ニップルの中で折れてしまうという現象が頻発します。
ニードルを交換した直後はいいんです。
なぜなら、ニップルをまだしっかり締め付けてないから。
ニップル側に遊びがある状態でニードルの針先の位置をうっすら感じながら締め付けていけば、そのときだけはニップルの穴に確実にニードルを通すことができます。
が、ダイヤルを回して一度上下させる、つまり、一度ニップルの穴から外れたニードルは次の瞬間、ニップルの穴にうまく通らず、折れ曲がることになります。
要するに中心が揃っていないからそういうことになるわけですが、中心を揃えるにはニップルやニードルの工作精度だけでは足りません。
そのニードルを取り付けるジェネレーターや、コンダクションロッドが垂直に立ち上がっていないといけないのです。
が、コンダクションロッドは初めて分解したときから、手で曲げた針金のように微妙にグネっていて、直しようがありません。
平板だったら叩いて直せますけどね。
細い丸棒だと叩いても回転して力が逃げるんですよね。
そしてジェネレーターも最初から歪んでいるし、こっちは太いからそもそも自力で曲げることが難しいし、曲げたところで中に刺すロッドが歪んでいるから意味ないし。
そんなわけで、ニードルが使い捨てレベルで消費されてしまう問題にずっと悩まされてきました。
いくらコスト的には安いとはいっても、点灯消灯のたびに交換していては精神衛生上よくありません。
が、解決のときはある日突然やってきました。
それは、灯油漏れ問題に四苦八苦していたときのこと。
1つ試しては組み立てて、点灯テストして、また分解して、ということを繰り返すのです。
そのたびにニードルまで交換していては、さすがにいくらあっても足りない!となり、途中からニードルを折れたまま動作確認をするようになったんです。
そのときにふと気付きました。
「あれ?ニードル折れたままでも別によくない?」
折れたままで動作テストできてしまってるわけですからね。
もちろんニードルが折れているということは「栓」として機能していないので灯油が漏れてくるおそれはあります。
が、実際漏れるかというと漏れないんですよね。
加圧ランタンは加圧されることで、下のタンクに溜まっている灯油が押し上げられてニードル、ニップルの先から噴出します。
逆を言えば、圧力がかからない状態にしておけば噴出しないということです。
圧力がかからないようにするには、圧力ネジを緩めておけばいいのです。
ネジ緩めなくてもポンピングしなければいいんじゃないの?と思うかもしれませんが、それはさすがに甘いです。
ポンピングしなくても勝手に圧力が上昇することがあります。
晴天下や昼間の車内など気温が高い環境に放置していた場合です。
このときに圧力ネジを締めたまま放置していると加圧され、ニップルから灯油が溢れてきます。
キャンプした翌朝、そのまま前日のランタンを放置していたら、昼間やけに灯油のニオイがするなと思ったら、ランタンがいつのまにか溢れた灯油まみれになっていました。
初めて見たときは驚いたものです。
完全にねじを取ってしまってもいいんですが、紛失してしまいそうなので、1、2回転緩める程度でOKです。ポンピングしても圧が抜けることを確認して。
こうすればとりあえず灯油の漏れは防げます。
ただ、折れたまま使うには条件があります。
それは、プレヒートは予熱バーナーではなく、アルコールですること。
予熱バーナーでプレヒートをするには最初に加圧しなければいけません。
が、ニードルが「栓」としての役割を果たしていないので、プレヒート前に加圧すると噴水のように灯油が噴射されてしまいます。
アルコールを常に携帯するというのは予熱バーナーが当たり前の人にとってはなかなか面倒かもしれません。
自分の場合、ニードル問題の他に、予熱バーナーが途中で立ち消えてしまう問題も抱えていて、保険としてアルコールを常備しておく必要があったので、特別負担は変わらなかったですが。
この割り切りがあれば、正直折れたニードルさえもはや必要ないんじゃないかと思えてきます。
噴射口がガバガバすぎて、なんとなくススとかが内部にたまって面倒なことになりそうな気がするのでそこまではやりませんが(なんとなくそう思ってるだけなので大丈夫かもしれません)。
とりあえず、自分ニードルは折れたまま使うということで、ニードル折れすぎ問題から解放されました。
ダイヤルの開閉で、点灯時の灯りの状態が変化するので、折れていても一応ある程度機能はしているようです。
マニュアル的には完全アウトな方法ですが、バタフライランタンを愛用している方ならきっと分かってくれるはず。
「バタフライランタンは理屈ではなく結果がすべて」。どんっ。
これからも適当に雑に愛用していきます。
相変わらず1つ問題が解決するごとに愛着がましていきますね、このランタンは。
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公開日:2022.5.9
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