※火吹き棒の魅力はすでに知っていて、選ぶところからスタートしたい方は「いろんな火吹き棒があるけど?」からどうぞ。
火吹き棒とか絶対ムダだろJK
焚き火の火起こしに火吹き棒…。
そんなの絶対いらないだろと思ってました。
ああ、はいはい、アウトドア的意識高い系ね。
あれでしょ?
ライター使えばいいのに、わざわざファイアスターターとか使っちゃう系のアレでしょ?
新聞紙使えばいいのに、わざわざ麻ひもほぐして着火剤にしちゃうタイプでしょ?
とか思ってました。
火吹き棒とか一生使うことはないと思ってたのに
が…。
この前、グループでキャンプしたとき、火起こししてると、おもむろに差し出されたんですよ。
火吹き棒が。
いらないどころかむしろ嫌悪感すら抱いてたレベルだったので、正直使いたくなかったんですが、場の雰囲気というのもあるじゃないですか?
火吹き棒なんかでムダにカドを立てることもないじゃないですか?
だから「うわーありがとー助かるーꉂꉂ(ᵔᗜᵔ*)」
ってな感じで、使ってたうちわを放り投げて使ったわけですよ。
そしたら…
「え、なにこれ、めっちゃ使えるやん( ゚д゚)」
1秒で既成概念をひっくり返されたよね。
いや、これめっちゃ使えますよ。
意識高い系アイテムなんてとんでもない。
合理性のかたまりです。
見た目とかロマンとかどうでもいいからとにかく効率的に火起こししたい人こそ使うべきです。
いやいや、うちわで何の不都合もないし、って思うでしょ?
それが、違うんですよ。
火吹き棒は火床の奥から風を送れる
火をおこすとき、大抵はすでに火床に薪だの炭だのが積み上がってますよね。
うちわで起こすとなると、そこから少し離れたところから扇いで風を送るわけです。
しかし、火吹き棒なら、火床の熱源に限りなく近いところから、直接ピンポイントで風を送ることができます。
一番熱いところは積み上がった薪だの炭だのの一番下、一番奥にあります。
ここを煽ることが火起こしの「肝」になるわけです。
うちわは本体が大きいので薪、炭をかきわけて奥の熱源にアプローチすることができません。
また、風を起こすにも、大きく上下左右に振らないといけないため、多くのスペースを確保しないといけないわけです。
必然的に熱源から離れた空間からしか風を送ることができません。
しかし、火吹き棒は細いので薪、炭の隙間をかいくぐって熱源にアプローチできます。
また、風を起こすにも動きは必要ないので、本体以上のスペースは必要ありません。
「合理的」といった意味を理解してもらえるでしょうか。
火吹き棒は圧縮された強い風を送れる
火吹き棒は細いストロー状の形です。
そして、先端に行くほど細くなります。
なので、送った風(息)が圧縮されて風圧が強まるのです。
実際に吹いてみると分かりますが、それほど強く吹き込んだつもりもないのに、想像以上に炎が燃え上がって、ちょっと楽しくなります(笑)
同じような燃え上がり方をうちわでしようと思うと、案外扇がないとムリです。
少ない力で、大きなリターンが得られる、火吹き棒にはそんな快感があります。
いろんな火吹き棒があるけど?
ということで、もはやうちわを選ぶ理由は1つもありません。
ここからは、火吹き棒を選ぶ前提で、どれを選ぶか、という話で進めていきます。
どれを選んでも大差なし
といっても、火吹き棒は構造がシンプルなので、正直、どれを選んでも大差ありません。
基本は伸縮式なので、使うときはより長く、収納時はより短くなるものが使い勝手がいいです。
が、下の表を見ても分かる通り、どのメーカーでもほとんど変わりません。
使用時 | 収納時 | 重量 | 材質 | |
---|---|---|---|---|
キャプテンスタッグ | 480mm | 110mm | 40g | ステンレス |
ZAFIELD |
620mm | 130mm | 27g | ステンレス |
UZIPAL |
638mm | 153mm | 90g | ステンレス |
Sewaint |
640mm | 155mm | 95g | ステンレス |
日本製にこだわる必要もありません。
安い中国製で充分です。
ただ、中国製は当たり外れがあるので、そこはどれを選ぶにしても覚悟が必要です。
まあ、amazonなら返品できるので、急ぎで必要というわけでもない限り問題はないでしょう。
値段もほとんど変わりません。
だいたい1000円前後。
2本セットになっていたり、吹き口にスリーブがついていたりしますが、不要です。
自分も最初スリーブがついていたものを使っていましたが、ある日どこかに外れて紛失しました。
そのまま使いましたが、なんの違和感もなかったです。
あとはスライドの連結が5段だったり6段だったりして、「使いやすい5段!」とか言ってますが変わりません。
差別化のしようがないからムリヤリアピールしてるだけです。
ただ、2本セットはいいかもしれません。
大小使い分けられるからいいという意味ではなく、本体ごとなくす可能性が高いからです。
小さいし、火起こしのときしか使わないから存在感がかなり薄いアイテムなんですよね…。
なので、高いものを1つ持つより安いものを複数持つほうがいいです。
安心で選ぶならキャプテンスタッグかな
この中ではキャプテンスタッグが定番ブランドです。
あらゆるアウトドアグッズを手掛けていて、どれも最低価格レベルの安さを実現しているブランドです。
ホームセンターなどのアウトドアコーナーに行くとほぼ確実に置いてあります。
中国製には違いありませんが、知名度では抜きん出ています。
いつのまにかなかったことになっている中国メーカーの中において、非常に息の長いメーカーです。
自分が知っている限りでも30年前にはすでに定番ブランドだったので。
キャプテンスタッグの火吹き棒は、グリップ部分が丁寧な作りになっていて高級感がありますね。
ただ、その分、厚みが出てしまってるので、コンパクトさを取るなら別のを選んだほうが良さそうです。
グリップ力など実用上、全く必要ないので、メリットは見た目の満足度だけですね。
ちなみにキャプテンスタッグは普通サイズと別にロングサイズが用意されています。
長さ180~630mmと、普通の火吹き棒の1.5倍ぐらいのサイズです。
より多くの風を送ることができますが、個人的にはオーバースペックだと思っています。
そんなに多くの風を送らないといけないのは、そもそも燃料の薪や炭、またはその組み方に問題があると思ったほうがいいです。
付属品で選ぶのがいいかも
本体はどれも大差ないですが、収納ケースだったりオマケ付きだったり、本体以外のところでは意外と違いがあります。
収納ケースは本体を保護するため、というより、紛失防止のために役立ちます。
本体だけだと存在感がないので、次回使うときには神隠しにあっていることでしょう。
たとえば、カラビナ付きの収納ケースなんかはカバンやテントバッグなど、常に使うであろう他のグッズにぶら下げておけば紛失の恐れはグッと下がります。
「ZAFIELD」とかいうメーカーの収納ケースなんかがそうですね。
これはムダにゴテゴテすることもなく、シンプルすぎることもなくバランスがいいんじゃないでしょうか。
他にアルミケースのようなハードケースが付属しているモデルがありますが、これは個人的にはオススメできません。
かさ張るし、カチャカチャ音がうるさいです。
UZIPALとかいうメーカーがハードケースですが、これを選ぶ理由はないです。
ハードケースのほうが見た目がスタイリッシュな感じはあるので、見た目にこだわりたい人はいいかもしれません。
あとホイッスルとかファイアスターターなんかも付属してるようですが、大体こういう感じのムリヤリオマケでくっついてくるやつって全然使えないんですよね。
ホイッスルとか音がならないことも珍しくないです。
スライドのスムーズさが重要
一番重要なのはサイズでも重量でも材質でもなく、スムーズに伸縮できるかかもしれません。
中国製は作りが雑なことがよくあるので、こういう構造のものはめっちゃ硬かったり、逆にユルユルだったりします。
そのへんの品質の安定さではやはりキャプテンスタッグが安定かも。
ただ、Amazonや楽天などの通販だとそのあたりが事前に確認できないところが難点です。
マニアックなアイテムなのでリアル店舗だとそもそも取り扱いがないことも多く、探す手間を考えたら不良品覚悟で買ってみるのもいいかもしれません。
ということで、繰り返しになりますが、火吹き棒、めっちゃいいですよ。
自分から使おうとしない限り、一生使うことのないアイテムだからこそ、一度使ってみてください。高いものでもないので。
きっと値段以上の価値をもたらしてくれますよ。