キャンプの一番の楽しみである焚き火。
焚き火には薪が必須です。
そして、薪は買ったものではなく、山から拾ってくるのが個人的に守らなければいけないルールなのです。
そうすると必要になってくるのが斧とノコギリ。
斧は割って細くするために、ノコギリは切って短くするのに使います。
で、どっちが体力勝負かというと、圧倒的にノコギリです。
薪といえば薪割りっていうくらい、薪に関する作業って「割る」ことだというイメージがありますが、割るのって一瞬で終わるんですよね。力もいらないし。
でもノコギリはそうはいきません。
筋トレになりそうなくらい腕全部の筋力を使います。
1回の焚き火でトータル2時間ぐらいはノコギリで切ってるんじゃないでしょうか。
長いまま放り込むと、焚き火台からこぼれたり、そもそも炎が分散して、焚き火の炎として美しくありません。
焚き火はタテに燃えてこそ至高。
ということで、ノコギリ選びが重要になってきます。
まず、登山が前提なので、ザックに収まる形である必要があります。
そのため、折りたたみが前提となります。
その上で、「大は小を兼ねる」と思い、できるだけ大きめのものを選びました。
最初に選んだのが、刃渡り20cmぐらいの折りたたみノコギリ。
ホームセンターで500円くらいでした。
特に目立った使いづらさもなかったので、これを1年ぐらい使い続けました。
が、ある日キャンプにでかけたときにそのノコギリを忘れたことに気づきました。
一番のイベントと言っておきながらその必須アイテムを忘れるなんて・・・。
当然そのまま諦めきれるわけもなく、近くのホームセンターに買いに行くことにしました。
家に帰れば折りたたみノコギリがあるわけで、今回のためだけに買うノコギリです。
多少の使いにくさは覚悟の上で、一番安いものを買うことにしました。
そこで選んだのがポケットボーイという携帯ゲーム機のような名前の折りたたみノコギリ。
刃渡り13cm。
家にある折りたたみノコギリの半分しかありません。
さすがに小さすぎて使い物にならないんじゃ・・・。
20cmのノコギリを使ってたときに刃渡りを持て余してると思ったことはありません。
短くなれば往復させる回数はその分増えます。
それはつまり体力の消費が増えるということ。
いくら安く済ませると言っても、これじゃさすがにまずい気がしました。
でも買いました。
安さというか今家にあるものと同じものをまた買うことにどうしても抵抗があったんです。
どうせ買うなら使い分けできるようにしたい。
長いものは実用性重視、短い方は臨時用に常時携帯させる用、みたいな感じで。
ということで不安しかないままポケットボーイを買ってキャンプ場に戻ってきました。
さっそく拾ってきた木を切ってみます。
「!?」
驚きました。
想像していた2倍の速さで刃がどんどん切り進んでいきます。
なんでこんな小さいのに・・・?
それは刃にありました。
ノコギリの刃は用途に応じて細目から荒目まで刃の細かさに段階が用意されています。
ポケットボーイの刃は万能目。要するに「普通」ってことです。
が、今まで使っていたものは刃が「細目」だったのです。
細目のメリットは切り口がキレイなこと。少しずつ刃が進むので、キレイに仕上がるのですが、その分、切るスピードが遅くなるんです。
焚き火の薪に切り口の美しさは全く必要ありません。
そもそも刃の細かさがあることを知らなかったので、意図せず購入していたわけですが、今回それを忘れたことで万能目を体験することになったわけです。
今までの苦労はなんだったんだと思うほどに軽快に切れます。
そして意外だったのが、短さが全然気にならないこと。
丸太のような太い幹を切るのはもちろんムリですが、薪にするような木は、せいぜい腕の太さぐらいです。
直径7cmぐらいならこの短さに不足はありません。
10cm超えると厳しそうですが、そんな太い木は焚き火には不要です。
むしろ刃と持ち手が近い分、力が無駄なく伝わり、非常に効率がいいです。
これは目からウロコでした。
臨時用として使う予定だったこのポケットボーイはその後、メインノコギリとしてずっと使うことになります。
元のノコギリの方が非常用になってしまいました笑
唯一気になるのが持ち手がゴム素材なこと。@
今は問題ありませんが、ゴムの宿命で、そのうち劣化してベタベタしてきそうです。
あとザック内に入れておいたりすると細かいホコリとかが付着して見た目が汚いです。どうせ外で使うものだし、実用上は問題ないんですが…。
ここは元の長い折りたたみノコギリの方が白木の持ち手でスッキリしていてよかったですね。
災い転じて・・・とはまさにこのことで、このトラブルがなければポケットボーイを使うことはなかったと思います。
いい道具を手に入れました。