びっくりニュースです。
スノーピークの焚き火台を買いました。
ことあるごとにスノーピークをディスってきた自分がまさか買うとは自分で自分にびっくりです。
↓過去記事で紹介したときもアンチぶりがにじみ出てます。
が、今日は違います。
この記事は心からスノーピークの焚き火台をおすすめする記事になっております。
ただ、スノーピーク嫌いであることには変わりなく、例によって今回もスノーピークへのボヤキが盛大に入っているので、スノーピークファンは読まない方がいいです。
ブランドや雰囲気やノリで買うのではなく、客観的に性能を比較検討した上で買いたい方には、いくらか参考になる情報を提供できるかもしれません(自信はない)。
偏見に満ちたアンチスノーピークぶり
ここは普段のスノーピークへのもやもやを吐き出してるだけなので、次の項まで読み飛ばした方がいいと思います。
スノーピークの焚き火台は、数ある焚き火台で長年トップの座を守り続けている定番モデルです。
信頼と実績の焚き火台をなぜ、今まで避けてきたか…それは、スノーピークユーザーが「スノーピーク使ってる自分イケてる」みたいにしてるのがムカつくからです(偏見)
だって、スノーピークユーザーって絶対車のリアウィンドウにスノーピークのステッカー貼ってるじゃないですか!
あれ、絶対そういうことでしょ!?!?
スノーピーク側もそういうユーザーの心理をよく掴んでます。
アウトドアのロゴなんて十中八九、太字で、ゴシックで、大文字のアルファベットがお約束じゃないですか。字間もツメツメで力強い感じ!
でもスノーピークのロゴときたら全部小文字ですからね。
しかも、なんかちょっと余白多めにとっちゃって余白を活かしたデザイン的な、新進気鋭のデザイナー的な、スタバでMac(古)的な感じ出しちゃったりなんかしちゃったりなんかして。
そりゃあね。
「使ってる俺カッケー」ってなりますよ。
そして、そんな心理につけこむがごとくなボッタクリ価格設定。
ブランドに価値を見出した者にはコストパフォーマンスなど無縁の概念なのです。
むしろ高いほうが価値あると思うくらいですからね。
もはや霊感商法の域です。
だってほら見てくださいよ、グローブが6000円ですよ?
鼻血出るわほんま。
え?
革だから妥当?
いやー。
ハハハ。
甘いですね~。甘いですよ。
一度ホームセンターとかワークマンとか行ってみてくださいよ。
既成概念打ち壊されて、世の中何も信じられなくなりますから。
革手袋とか200円でありますから。
え?
色が変で、いかにも現場用?
そんなこと言ってるからぼったくられるんですよ。
いや別に価値観は人それぞれでブランドに価値を見出すのも全然アリですけど。
でも、色にこだわったとしても1000円出せば手に入りますよ?
もうロゴの有無ぐらいしか違いありませんからね。
いやまぁスノーピーク信者からしたらシルエットとか風合いとかが違うって話なんでしょうけど。
そんなの誰も気付きませんからね。
ていうかこの手のグローブ、用途を考えたらすぐ炭やらなんやらで汚れまくりますからね。
そんなとこおしゃれに決めたところでどうなんって話ですよ。
そして極めつけはこれ。
焚き火台の下敷きに2000円www
ファーwww
いや、まだ終わりじゃないですよ。
その下敷きの下敷きwww
3000円www
下敷きとスタンド合わせてwww
5000円wwww
焚き火台の値段が5000円じゃないですよ?
焚き火台の「下敷き」に5000円ですよ?www
いや、本気でこれもうお布施以外の何者でもないでしょ。
確かに焚き火のマナーとして地面のダメージに配慮するという考えはあります。
ありますけど、これ鉄板だから熱余裕で伝わりますよね。
本気で保護する気があるならスパッタシートとか断熱性の高いもの敷かないと自己満足もいいとこですよ。
オートバックスとかにある車の燃費アップパーツ並のオカルト具合です。
とまぁスノーピークに対して尋常じゃない敵意を勝手に燃やしていた僕が、スノーピークの焚き火台を買ったわけですからこれはもう事件ですよ。
ノーマークだった「Sサイズ」のサイズ感が絶妙
ほぼ一目惚れの勢いで、興味ゼロから一気に購買意欲マックスに振れた理由がこれです。サイズ感。
スノーピークの焚き火台は尋常じゃないシェア率で、キャンプ場に行けば必ず2~3組は使ってるので、これまで飽きるくらい見てきたわけですが、今までMサイズしか見たことなかったんですよ。
このまえ、アウトドアショップに行ったんですが、スノーピークコーナーがあり、例によって冷ややかな目で見ていたんですが、SMLの各サイズの焚き火台がディスプレイされてて、ふとSサイズに目が止まったんですね。
小さすぎて使えない、安かろう悪かろうのイメージだったSサイズですが、改めて見ると1~2人で焚き火するのに絶妙なサイズ感なんですよ。
そして当たり前ですが、サイズが小さくなれば重さも軽くなるんですよね。
スノーピークの焚き火台の一番のデメリットは重さの一言に尽きます。
スノーピーク信者でさえ、口を揃えて重さを難点に挙げるのでこれはもう揺るがない事実といっていいはずです。
その重さがSサイズなら1.8kg!
軽いとは言いませんが、気になるような重さではなくなります。
キャンプ道具において一番重要なのはデザインでも品質でもなく、確実に「重さ」です。
どんなに品質やデザインが良くても重ければそれだけで倉庫に眠ったままになります。
使わない道具はただのゴミです。
飛ばない豚はただの豚なのです。
体感重量に直結する「持ちやすさ」
また、重さは重量だけでなく、形や持ちやすさで体感的な重さが変わってきます。
手に収まる立方体と、畳のような平べったい大きな板では、重さが同じでも、後者のほうが持ちにくいため重く感じます。
スノーピークの焚き火台は畳んだときに足が取っ手になり、手提げバッグのように持ち運ぶことができます。
持ちやすさまで計算して作ってるかどうかは分かりませんが、焚き火台の中では一番持ちやすいです。
これが体感重量を軽減させるのに大きな役割を担っています。
ただ、重要なのはそれだけじゃありません。
忘れがちな収納性
重さの次に重要なこと、それは収納性。
スノーピークの焚き火台は折りたたむことで完全に平べったくなります。
この「完全に」というのが重要です。
アウトドア道具は大抵のものが折りたたんでコンパクトになりますが、「完全に」平べったくなるものは意外と少ないです。
たとえばチャコールスターター。
平面で構成されてて、いかにも平べったくなりそうですが、実際にたたんでみると微妙に浮きます。
この微妙なかさばり具合、微妙な傾斜が実際にキャンプするときの積み込みに結構影響するのです。
下が傾いてたらその上に積み上げるもの全部不安定になりますからね。
また、平べったくなっても、微妙に突起があったり、角が立ってたりすれば他の道具を傷つけることにもなりかねません。
スノーピークの焚き火台は、真っ平らになり、他を傷つけるような突起もないんです。
車に積み込むときとりあえず一番最初に放り込んで、あと上に他の道具を積み込めばOK。
そもそもが頑丈なので上に何が乗っても壊れたり歪んだりしません。
「あれの上にこれを置いたら滑って荷崩れおこすかな…」
とか、
「あれの横にこれ置いたら傷つけてしまうかな…」
とか、積み木的な計算は全くいりません。
とりあえず放り込めばいい。
その気軽さはキャンプにおいて想像以上に価値があります。
周りを汚さない構造
さらに秀逸なのが、折りたためば汚れる部分がすべて内側に隠れること。
焚き火台がキレイなのは最初の新品のときだけ。
一度でも使えば薪のススやらコゲやらで真っ黒、調理の油やらでギトギトです。
がんばって洗えば落とせないことはないですが、2,3回やったところで諦めることになるでしょう。
それぐらい焚き火の汚れを落とすのは大変です。
なのに、使うと一瞬で汚れるので「もういいや」ってなります。
なんですが、問題なのは収納時。
焚き火台単体が汚れるのは一向に構わなくても一緒に積み込む道具や車が汚れるのは抵抗があるはずです。
スノーピークの焚き火台の素晴らしいところは、折りたたむと、汚れ面が完全に隠されることです。
こういう細かい配慮が一生つきあっていきたくなるモチベーションにつながっていくんですね。
10時間燃やし続けても歪みゼロ
そして圧倒的頑丈さ。
これはスノーピークの焚き火台の一番の特徴なので、もはや説明するまでもないかもしれませんが、本当に頑丈です。
僕は一回のキャンプで焚き火を5時間ぐらい続けてやるんですが、今まで使ってきた焚き火台はすべて歪んでしまいました。
良質なステンレスで丁寧な仕上げで人気の「ピコグリル」でさえも歪んでしまいました。
まぁピコグリルはそもそも携帯用焚き火台で、登山でのテント泊などミニマムな野営用のアイテムであり、レジャー的に何時間も焚き火をするような用途で評価をするのはお門違いですが。
ことごとく焚き火台を潰してきた焚き火台クラッシャーとしては何をしても壊れないと言わんばかりのスノーピーク焚き火台に無駄に勝負を挑みたくなったわけで。
夜通し10時間焚き火してみました。
結果は僕の完敗。
スノーピークの焚き火台は10時間焚き続けても全く歪むことはありませんでした。
扱いに気を使わなくていいというのもアウトドアでは重要なスペックですね。
メーカーも想定外の通気性の良さ
焚き火台と言うからには燃えてなんぼ。
燃焼効率が悪いと景気のいい炎は上がりません。
実はスノーピークの焚き火台は構造上、それほど通気性に優れたデザインとは言えません。
底も側面もほぼ密閉に近いですからね。
通気孔は一応設けてあり、メーカーもそれを1つのセールスポイントにしていますが、正直こんな上の方に通気孔があったところで燃焼効率は上がりません。
焚き火の燃焼効率において重要なのは「煙突効果」。
つまり、空気は下から取り込み、上昇気流によって炎が燃え上がるので、上から空気が入ってきても上昇気流を阻害するだけです。
試しにこの通気孔を塞いで焚き火をしてみましたが、燃焼具合に差は見られませんでした。
じゃあ、燃焼効率が悪いのかというとそんなことがないのが面白いところ。
スノーピークの焚き火台は板とパイプを溶接で連結することで収納性を実現しています。
この連結部分には構造上、隙間が結構あるのですが、これが通気孔として機能しているのです。
スノーピーク自身もまさかこれが通気孔として機能するとは想定していない気がしますが、結果的にこれが焚き火台としての性能を上げています。
実際、本当に通気孔がない、コールマンのファイアーディスクなど、しばらく焚き火を続けて灰や炭が溜まってくると明らかに燃焼効率が落ちます。
スノーピークの焚き火台も燃焼後の灰や炭は溜まっていく構造なので、同じ傾向が見られるはずですが、こちらは何時間やっても勢いが落ちません。
きれいに燃やし尽くさず、燃え残りがどんどん残っていくような焚き火をした場合は別ですが、きちんと焚き火すれば何時間でも継続できます。
課題は調理時の熱源との距離
と言う感じで焚き火台としては不足なしなんですが、調理用グリルとしてはそれほど優れているとは言えません。
まず、平坦な部分がないため、調理をするには上に焼き網を置くしかありませんが、熱源からの距離が結構あるので、どうしても熱量不足になりがちです。
ダッチオーブンのように直接炭に放り込めば問題ありませんが、バーベキューなどの網の上で調理する場合に網の近くまで炭をかさ増ししようとすると結構な炭の量が必要で無駄が多いです。
そのため、メーカーオプションで「炭床」というかさ増しアイテムが用意されています。
なんですが…これは冒頭でさんざんディスったスノーピーク十八番のぼったくりアイテムに該当します。
ただの上げ底になんで3000円も5000円も払わないかんのかと。
で、「スターターセット」という形でこの上げ底、下敷き、そして単体で5000円もする収納バッグのセット販売がありますが、これを買おうとしてる人がいたら助走をつけて殴る勢いで買うのを止めたいです。
スノーピークに限らず「スターターセット」とかいう名前になってるものにろくなものはありません。
名称からして「焚き火台とかよくわからないけどとりあえずこれ買っておけば必要なものが手に入りそうだからこれにしとくか」と思うユーザーをターゲットにしたものと思われますが、ほぼ不要なものしか入っていません。
まず、上げ底(炭床)については上述のとおり。
次にベースプレートという下敷きも冒頭のボヤキで述べたとおりです。
これ買うなら同じ値段のスパッタシートを買ったほうがいいです。
収納袋はしっかりしたキャンバス地で重さが気になるスノーピークの焚き火台のケースとしてはわりとお役立ち度は高いのですが、5000円の価値があるかと言われるとないです。
百均の布袋とかレジャーシートみたいな素材でできてるバッグとかで十分間に合います。
まぁ見た目にスノーピークのブランド感はありませんが…。
ていうかもともと焚き火台単体で、収納袋はついてるんです。さすがに生地はペラッペラですが、実際使ってみるとこれで充分間に合います。
すでに3年目に突入しましたが、いまだに現役です。
この袋の目的は荷物として乗せたときに他の道具に焚き火汚れを移さないことで、その目的は充分果たしてくれます。
ちなみに値段は、Mサイズが19800円。
焚き火台(M):12600円
収納ケース(M):4800円
ベースプレート(M):2300円
炭床(M):3500円
で、合計23200円から3000円お得に購入できるので、セットでなくてもこれらを全部買う強い意志がある人にはおすすめです。
が、上記のように「よくわからないけどとりあえず」な感覚で買うのは、カモネギもいいとこなのでやめたほうがいいです。
ということで、また話がそれましたが、調理用として不向きですが、わざわざ超利用の焚き火台を別に持っていくのも非現実的なので、正方形の焼き網を複数サイズ持っておくのが現実的な落とし所かと思います。
小さいサイズほど熱源との距離が近くなりいい感じです。
焼き網は百均でありますし、5枚持っていくとしても重さもスペースも取りません。
調理グリルとしてはユニフレームの勝ち
以上のように代替案はあるものの、スノーピークの焚き火台は調理においては決して使いやすいとは言えません。
その点においては同じ焚き火台でもユニフレームが圧倒的に使いやすいです。
平面が多く、均一に熱を放出できるし、45度ずらした焼き網の配置も炭の追加や温度調整がやりやすい構造です。
その分、焚き火台としては今ひとつ締まらない感じはあります。
焚き火はやはり上に高く燃え上がってほしいものですが、ユニフレームの構造だと横に広がってしまうため、縦よりも横に長い炎になりがちです。
調理性を優先するか、焚き火の楽しみを優先するか、どちらも甲乙つけがたいですが、どちらも安定の品質には違いないので、自分がどちらが大事かを決めて選べばどちらを選んでも後悔はないと思います。